出版社内容情報
接待汚職「ノーパンすき焼きスキャンダル」発覚で大蔵省は大揺れ。黒幕の大物主計局長、暴力団幹部、総会屋総帥、敏腕政治家らの思惑が入り乱れるなか、大蔵省始まって以来の変人・香良洲圭一はこの危機にいかに立ち向かうのか? スリリングな官僚ピカレスク小説。
内容説明
接待汚職「ノーパンすき焼きスキャンダル」発覚で大蔵省は大揺れ。黒幕の大物主計局長、暴力団、総会屋、敏腕政治家らの思惑が入り乱れるなか、大蔵省始まって以来の変人・香良洲圭一はこの危機にいかに立ち向かうのか。スリリングな官僚ピカレスク小説。
著者等紹介
月村了衛[ツキムラリョウエ]
963年生まれ。作家。早稲田大学第一文学部卒。2010年『機龍警察』でデビュー。12年『機龍警察 自爆条項』で第33回日本SF大賞、13年『機龍警察 暗黒市場』で第34回吉川英治文学新人賞、15年『コルトM1851残月』で第17回大藪春彦賞、『土漠の花』で第68回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、19年『欺す衆生』で第10回山田風太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
桜
43
「ノーパン◯◯」。当時純粋無垢だったw私は「そんな事して何が楽しいんだか。」と言葉ヅラに衝撃を受けつつドン引きしていた。 実際のスキャンダルを下敷に、官僚、ヤクザ、政治家、総会屋。縁もゆかりも無い世界で、全員クセがある「ワル」ばかり。終着点が読めないままページが進み、まさかのそんな終わり方?! 変人、香良洲圭一のその後が気になる1冊でした。2024/01/13
のじ
8
ノーパンすき焼き・・・接待事件をめぐっていろいろ暗躍する官僚のお話。実在の政治家や会社などの名前も出くるけど、どんな時代だったかはあまりおぼえていない。このあとの日本がどうなったかは身をもって今感じているところなので、フィクションとはいえ複雑な気分になる。良い悪いは別として、ノーパンすき焼き・・・なんかで喜んでて、接待に使ったような時代もあったわけで、今と引き比べると良し悪しは別として元気な時代だったのかもなあという変な感傷も持ってしまったよ。2024/02/18
紫スカートのおっさん
7
🩲✖️1 🍲✖️1 ❤️✖️2 🍷✖️2 📺✖️22024/01/30
Merlin
6
ノワールものを書かせたら右に出るものは居ないと思われる月村さんの作品 全編を通して日本が転がり落ちていく様を描いている また、劇中で月村さんの作品にしては珍しく恋愛描写が多く描かれていたが、それは消して美しいものとして描かれてはおらず、滑稽劇的な書かれ方をしており良いスパイスになっていた 文中最後の一節「日本が奈落に転がり落ちるまで、この馬鹿げた現実という喜劇を眺めて踊ってやろう」は悔恨、未来への絶望、そんな中で滑稽なまでに利益と面子を守ろうとする者たちへの嘲笑それらを包括した至言であるように思う2024/04/13
ohion
6
面白かった。舞台は1998年。ノーパンすき焼き接待で叩かれる大蔵省。官僚、政治家、ヤクザと登場人物も生き生きしてキャラ立ち。虚実入り混じった感じがよい。 主人公のこの先を見てみたい。2024/02/08