出版社内容情報
【文学/日本文学小説】Dのもとへ、ダンピールの男の子を連れた娘が訪れる。彼女の依頼は、男の子の父親である貴族のところまでの護衛だった。しかし、Dは少年の父親を滅ぼす依頼も受けていた。果たして彼らは、ともに旅立てるのか? そして彼方に待つ最凶の敵とは!?
内容説明
Dのもとへ、ダンピールの少年を連れた娘がやってくる。少年の父親である貴族の元へ行くので、護衛を依頼されたのだ。しかし、その一方でDは、少年に父親を殺す依頼も受けていたのだった。気のいい戦闘士の男を加えた一行は、野盗や敵の襲来を受けながら目的地を目指す。しかし、その前に現れた少年の父親とは!?ダンピールの少年はDの瞳と背中に何を見るのか!?
著者等紹介
菊地秀行[キクチヒデユキ]
1949年、千葉県に生まれる。青山学院大学卒業。1982年「魔界都市“新宿”」でデビュー。日本推理作家協会会員。SF・ホラー映画愛好家としても有名である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おかむー
54
マンネリ感の漂う「D」シリーズではあるが、たまにこういう光る作品が混じるからチェックしないワケにもいかないんだなぁ。『よくできました』。ダンピールの少年・エドワードが父である貴族・ギャラリード公爵のもとに向かう旅に同行することとなったD、Dはギャラリードを倒す依頼も受けていた。尊大な態度で意地をはりつつも、人としても貴族としても半端でヘタレなエドワードが物語の軸の割に全体にはおざなりな扱いだけれど、ラストの彼の選択とその後のエピローグが物悲しくも印象的な読後感。しかしこのタイトルは安直すぎると思う(笑)2015/05/21
眠る山猫屋
14
積んでるうちに新刊が・・・。今回はラスト数ページが白眉。父親が幻体使いだったからって訳じゃないだろうけれど、影絵のように消えていったエドワードが切ない。そこしか居場所がなかったんだよね、小さいのに。2016/02/11
しゃお
13
最近のDの物語の中でも出色の出来じゃないでしょうか。ダンピールの少年エドワードを核として、喜びや悲哀が鮮やかに描かれています。戦いの場面も今回は割とすっきりしているだけに、より物語に没頭できました。貴族として生きようと決意していたエドワードが選択した未来は果たして実に切ない。そしてその後に描かれるエピソードがより切なさを増させるのと同時に、どこか光が射しているようにも見えて、いつまでも余韻に浸れそうでした。Dの敵となる貴族たちから語られたある事実も、ほんの少しDの秘密に迫っているのも良かったです。2015/05/23
作楽
11
エドワードは可愛いかったですね! 子供らしい・・・。アリスの愛情もよかった。最近は、ピンチが多くて、何気に吸血してる・・・。しかも優しい。 ラストはすごくよかったですね。哀切が胸を浸します。次も楽しみだ。2015/10/21
グリンタ
8
神祖絡みはいつも通りであったが、シリーズ初期のような 良作と思料。ストーリーの分かりやすさ、キャラの出来、そして 哀愁感あるエンディングと久しぶりに荒廃した世界観を味わうことができました。そしてあとがきを読み、今後に期待しないではいられない。2015/07/28