目次
バスクとそのひとびと
カンドウ神父
ザヴィエルの右手
カルチェ・ラタンの青春
16世紀の大学生
ザヴィエルの回心
バスク人たち
アンジェラスの鐘
ザヴィエル城の出現
ピレネーの谷
ロヨラの風骨
バスクの大統領〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Book & Travel
56
昔、ビルバオというサッカークラブをきっかけにバスク人の存在を知った時、欧州先進国の国境付近にそんな古い民族が存在しているのかと、すごく不思議で神秘的な印象があった。この巻では、司馬さんはフランシスコ・ザヴィエルの足跡を追って彼の故郷バスクへと旅をする。ザヴィエル、ロヨラ、カンドウ神父らバスクゆかりの人物に纏わる歴史随想を絡めながら、いつもの如く上質な旅行記が展開されていく。特にカンドウ神父の生家やザヴィエル城を訪れるくだりでは、司馬さんの興奮が伝わってきて、歴史散策の醍醐味が感じられるのがとてもいい~2017/04/27
kawa
47
日本に初めてキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルの出身地であるバスク地方を訪ね、フランスやスペインという大国から置き去りにされながら、今なお消えることなくそのアイデンティティを維持してピレネーに住み続けるバスク人とザビエルの生涯を追う。単語としてしか知らなかったバスクの諸々に知的好奇心を大いに刺激される。同時代のルネサンス、大航海時代、宗教改革等との関係で、当時のカソリックの原理主義的位置づけでもあるザビエルやイエスズ会をもっと知りたいと思う。(塩野七生「ルネサンスとは何であったのか」同時併読中)2020/07/12
AICHAN
30
図書館本。フランスからピレネー山脈のバスク地方を巡る。バスクは言語的には西欧語ではなく孤立している。日本のアイヌ民族に似ていると司馬さんはいう。ただしアイヌ民族は南方系であり琉球民族との間に共通点がある。それはさておき、目的はザヴィエルの足取りをたどることのようだった。ザヴィエルはバスク地方で生まれ、パリの大学に学び、曲折を経てイエズス会の修道僧になる。そのザヴィエルが日本にやってきたのは戦国時代のこと。東洋の島国に憧れての渡海だった。そのザヴィエルを産んだバスクに憧れて司馬さんが渡海した。2016/10/18
Kaz
27
大阪は堺で育った私には、「南蛮」という響きには親近感がある。日本はちょうど安土桃山時代になるのだけど、この時代は信長や秀吉という天下人の治世で、その次の時代と比較して、日が沈む前の時代というイメージがある。日本が歴史上最も輝いていた時代ともいえる。ザビエルさんやバスク地方のことをメインに話が進んでいくのだけど、知らなかったことが多くて勉強不足を痛感した。2015/02/22
伊田林 浮刄
24
★★★☆☆フランシコ・ザビエルをめぐるバスクの旅。教科書レベルの知識しかなかったザビエルやイエズス会それにバスクのことがわかる一冊。近現代の国家の枠組みでいくとバスクの人々はフランスとスペインに分断されてるのな(そういや前サッカー日本代表監督アギーレもバスク系メキシコ人じゃなかったっけ)(続きコメント欄)2016/02/08