出版社内容情報
幻想的短編小説の名手シルビナ・オカンポと、名作『モレルの発明』の著者にして夫のアドルフォ・ビオイ・カサーレスが共作した唯一の長編小説。スペイン語圏に推理小説ブームを巻き起こすボルヘス監修の伝説的コレクション〈第七圏〉から刊行された名作の探偵小説が本邦初訳で登場。
内容説明
夢とは我々が日常的に狂気を実践する場にほかならない。発狂の瞬間に我々は、“この世界ならお馴染みだ、生涯ずっと毎晩のように見てきた景色だ”とでも言うのかもしれない。だからこそ、白昼夢を見ると理性に眩暈を感じるのだろう。幻想的短編小説の名手シルビナ・オカンポと、名作『モレルの発明』の著者にして夫のアドルフォ・ビオイ・カサーレスが共作した唯一の長編小説。スペイン語圏に推理小説ブームを巻き起こすボルヘス監修の伝説的コレクション“第七圏”から刊行された名作の探偵小説が本邦初訳で登場。
著者等紹介
オカンポ,シルビナ[オカンポ,シルビナ] [Ocampo,Silvina]
1903‐93。1903年、六人姉妹の末娘(長女はビクトリア・オカンポ)として、ブエノスアイレスの貴族的家庭に生まれる。1908年に初めて渡欧、20年代にはレジェやデ・キリコとともに絵を学ぶ。帰国後、姉の創刊した雑誌「スール」に協力、32年にビオイ・カサーレス(40年に彼と結婚)と知り合った後、文学に転向。37年発表の短編集『忘れられた旅』以後、詩集や短編集の発表を続け、54年にブエノスアイレス市文学賞を受賞。93年にブエノスアイレスで歿した
ビオイ・カサーレス,アドルフォ[ビオイカサーレス,アドルフォ] [Bioy Casares,Adolfo]
1914‐99。1914年、大農園主の一人息子としてブエノスアイレスに生まれる。幼少期から文学を愛読し、32年にホルヘ・ルイス・ボルヘスと知り合った後、創作活動に従事。40年にシルビナ・オカンポと結婚、同年刊行の長編小説『モレルの発明』が国内外で反響を呼ぶ。90年セルバンテス賞受賞。98年にブエノスアイレスで歿
寺尾隆吉[テラオリュウキチ]
1971年、名古屋市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、学術博士。現在、早稲田大学社会科学総合学術院教授。専門は二十世紀のラテンアメリカ小説(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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