内容説明
母が死んだ。「静子さんは、太宰さんのところにいったのよ」何人かの方が、ひとりになった私を励まして下さった。…大手術もむなしく、この世を去った母への痛哭の思いを中心に、母子2人きりで過ごした少女時代の想い出、初めて体験する一人暮らしの寂しさととまどい、結婚への憧れ、そして母から聞かされていた父への思慕を、のびやかな文章で綴る。ういういしい純な魂が奏でる父母へのレクイエム。
目次
母、父、そして…(愛しき母太田静子の晩年;父太宰治と「浜辺の二人」)
おんなひとり暮らし(今年のお正月;おかあちゃん)
あこがれ(私の失恋日記;これからの女の生き方)
想い出(街の子;エンピツとエンピツケズリの詩)