内容説明
世紀の美男役者の内面にせまり、孤高の美の魅力を浮き彫りにする。
目次
序幕 天の見込んだ星
二幕 その詩と真実
中幕 ひとりごとの演劇史
四幕 意匠のいろいろ
大詰 昭和の團十郎
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
20
癌で早世したものの、團十郎の名を辱めなかった十一世の半生記。通俗的な言い方だが、不器用な人という印象。役どころを大掴みし演じることができる役者がいる一方、彼は一つ一つ要所を押さえなければ、前に進めない。だが、後退もしない。だから「なんとまあ、いい役者」として、人々の記憶に残る存在となったのだろう。2022/03/21
shellgai
2
十一代目團十郎の芸と人柄がとてもよくわかる。華やかさと不器用さを今の海老蔵と重なるところもあるなあと思いながら読んだ。亡くなったのが團十郎になって3年後の56歳。勘三郎、三津五郎、團十郎を若くして亡くした今、当時の人は同じようにショックだったんだろうなと気持ちがなんとなくわかるような気がする。2018/08/29