出版社内容情報
「夫の墓には死んでも入りたくない」義母の遺言から始まった墓問題。それは親類や子供たちを巻き込み、墓の必要性などを考えるきっかけになっていく。「遺骨は燃えるゴミで」と言いたくなるほど面倒な、明日は我が身の墓騒動小説。
内容説明
「絶対にお父さんと同じお墓には入りたくない!」四十九日の法要を目前に控え、突然明らかになった姑の遺言。いきなりの真実に黙り込む義父と、亡き母の希望を叶えるために奔走する義姉。騒動の行方をワクワクしながら見ていた五月だが、自分の娘たちも厄介な問題を抱え込んでいて…。面倒なことこの上ない現代墓問題。あなたならどうする?
著者等紹介
垣谷美雨[カキヤミウ]
2005年「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
572
世相に乗っかり、抑圧された女性の本音が炸裂する、垣谷作品の本領発揮120パー、というところ。軽快な文章に励まされて一気に読まされる。友人と話題に上ることも増えた「墓じまい」。こんなにお金のかかるものなのか、とあいた口が塞がらぬ。お寺さんの方でも死活問題とはいえ。なにかと問題をかもす本のオビであるが、このオビは正しいね。「大事なのは、今、生きてる人じゃない?」2024/10/30
夢追人009
424
樹木葬、墓じまい、夫婦別姓を巡って大いに揉める家族の物語。現代社会は昔と価値観が大きく変わってしまったなあと痛感させられまして年寄の世代が意地を張って自説を頑なに守って譲らないままではいられない時代がきているのだなと思わされましたね。生きている人が一番大事なのは真実で、我を通さずに自分が妥協することも必要でしょうね。夫婦別姓は男女間で揉めて男にとっても厳しい時代になりますね。いろいろと考えさせられる有意義な読書で、生きている内に家族が妥協点を見出す事が大事だなと改めて思いましたね。#NetGalleyJP2024/04/05
starbro
415
垣谷 美雨、2作目です。当面は大丈夫ですが、10年後位には墓じまいが課題になるので読みました。墓じまい&夫婦別姓を巡る人間家族模様、自分に照らし合わせて読みました。 私の実家の墓地は本書の設定の一つの新潟市の郊外にありますが、市営で檀家でもないので、自宅の近くで適当な所を確保出来ればなんとかなりそうです。それにしても田舎の旧家の本家の長男は大変そうです(苦笑) https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=245922024/02/24
旅するランナー
256
少子高齢化社会の課題取り上げ上手な垣谷さんによる、新たな名作。墓守·選択的夫婦別姓に関して、老若男女が各々の立場で語る、多層的な意見表明。墓じまい·改葬にも、離檀料·魂抜き·魂入れ·墓石解体撤去作業費·遺骨取り出し料·運送費などが掛かる。これらを回避するヒントも書かれている。そこには、諸行無常·色即是空という観念まで繋がっていて、思いのほか深刻で困難な問題なんですよ。2024/04/25
いつでも母さん
218
婚家は墓じまいをして納骨堂にした。私の実家の墓は長男の父が亡くなり町内に住む私の双肩にかかる現実。田舎には田舎の・・とは言え、少子高齢化やお寺や葬儀、お墓に関する現実問題は誰しも大なり小なり思い当たるだろう。そこを垣谷さんがドンピシャ(古い?)上手に衝いてきた。それぞれの立ち位置の思いがビシビシ伝わる。何度も頷きながら、また、あまりの怒りで拳に力が入りつつ怒涛の一気読みだった。本作のラストは落ち着くところに落ち着いた感じだが、実際はそんなに簡単には行かないよね。さぁ、私たちの代で何とかしなきゃね。はぁ。2024/01/15
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