PHP新書<br> ヨーロッパから民主主義が消える - 難民・テロ・甦る国境

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PHP新書
ヨーロッパから民主主義が消える - 難民・テロ・甦る国境

  • 著者名:川口マーン惠美
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • PHP研究所(2016/01発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569827919

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内容説明

押し寄せる難民、繰り返されるテロ、そして甦る国境……。日本人がいま絶対に知らなければならないことは何か? ドイツ在住30年のベストセラー作家による現地レポート! かつてEUが誕生したとき、ギリシャに「国境なき医師団」が入り、「ドイツ帝国」の復活が危ぶまれ、テロの嵐が吹き荒れることを誰が想像しただろうか。第二次世界大戦の反省を経て、「ヨーロッパは一つ」という理想を掲げたはずのEUは、どこかで道を踏み外した。それも取り返しがつかないほどに。それどころか著者が現地で目にしたのは、ますます右傾化し、国境線を高くして内部に閉じこもる、理念と乖離した加盟国の姿だった……。難民とテロによってギリシャで生まれ、フランス革命を経てヨーロッパの自負となった民主主義は終焉を迎えるのか? その先にあるのはナショナリズムの膨張? それとも戦争? そしてこの惨状は、日本にとって決して「対岸の火事」ではない。そこで学ぶべきはグローバル化の止まらない世界で、TPPなど「国境を超える枠組み」とどう向き合えばいいのか、ということだ。テロ、難民、ギリシャ問題、EUと世界情勢の行方、日本の選択までが一挙にわかる著者渾身の一冊が緊急発刊。内容例:ワイマール共和国の制度を逆手にとったヒトラー/離脱をほのめかしてEUをつくり変えたいイギリス/選挙を経ない人たちが政治を司る不思議/40パーセントも削減されたギリシャの医療費/「チプラスは無能」と書き立てたドイツメディア/ドイツ経済圏に自主的隷属するフランス/フォルクスワーゲン不正ソフト事件が与える衝撃/難民にとっていちばんの魅力は医療/日本海が現在の地中海のようになる……ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

74
2015年発行。EUが孕む問題点、ギリシャ危機や難民問題といったものがクローズアップされていた時期なので、本書にもそれらが取り上げられている。というより丸一冊それらの解説に当てられているといった方が正しいか。読んでいて思うのはドイツを始めとして、理想を前提に解決策を立てるから、逆に問題が噴出している気がする。こないだも電力足りなくなって慌てて原発認めたのがニュースになっていたし。それでも刊行から八年、現在はロシア侵攻を受けてEUはますます拡大しようとしている。やはり外に敵が出来たら内部はまとまるなあ。2023/03/29

mazda

29
難民問題は、日本も対岸の火事ではないと思いました。ヨーロッパって、結局のところ世界を混乱に陥れる元凶のように感じてしまいました。世界大戦は2度ともヨーロッパ(しかもドイツ)だし、中東の混乱はイギリスとフランス、アフリカにいたってはオランダ、ベルギーあたりも加わって、ということでしょうか。現在のEUも各国の思惑が交錯してまとまらないのは、歴史を巻き戻しているようで非常に滑稽にさえ見えます。世界が平和であるために、本気でまとまってほしいと思います。2016/09/14

ひろし

26
この本を読み、改めてヨーロッパについて思うことは、1壮大な理想を実現するための行動力と努力を持っていること。2美しい言葉で、有り余る欲望と優越意識を糊塗してくること。3彼らの語る理想や得た利益は『ただし白人に限る』ということ。EUという壮大な社会実験の抱える問題と矛盾の全ては、白人の白人たる要素があますことなく出ているということなんだな。結局、人は『地球市民』的な気持ち悪い『世界は一つ思想』を実現することは不可能なんやろう。人はナショナリズムもパトリオティズムも捨てられない。どうなるんだ世界は。2016/02/02

sayan

24
理想を追求し過ぎた結果、その反動とした力が台頭したという著者の分析は同時代のトピックをもとに非常にリアリティがあった。ドイツ、スウェーデンでは「理想」を体現する政策として「難民受け入れ」を当初力強く推進したが、現在は政策変更した。特に、「難民施設内での難民同士の暴力事件」は共生の限界と、共生社会に不安をもたらす。社会的安全保障という言葉が再認識させられる。それでも「人道的」という言葉がつけば、受け入れ側はどこまで歩み寄ればいいのか、その不安を解消する案は人道「だけ」を語る人たちからは出てこない。2017/10/26

ぷれば

24
理想と希望にあふれたEU誕生…20年後の今、著者がドイツから届ける衝撃レポート。ギリシャ金融問題、無差別テロ、難民問題、イギリスの離脱懸念などなど、難問や危機が絶えずEUの足元を揺さぶっている。本書には日頃メディア報道が少ない真のヨーロッパの現状と、新たな危機(国の崩壊、紛争や戦争、難民の奴隷化不安など)発生懸念に憂慮している。また欧州のみならず日本の危機意識の欠如や、国防の不安にも言及。今、まさに必読の書。2016/02/24

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