出版社内容情報
川もないのに現れる橋跡、くねくね道、車道に比べ広すぎる歩道……街中の違和感はそこが暗渠だった可能性がある。暗渠×猫/鉄道/人物といったお題に、異なる切り口の二人が縦横無尽にマニアック道を駆け抜ける。地方暗渠も紹介。暗渠的街歩き本の決定版!
内容説明
都市を縦横無尽に走る“見えない川”。そこに息づく、暮らしの痕跡―暗渠を歩き、土地の記憶をたどるといつもの街が煌めいて見えてくる。
目次
序章 暗渠のきほん
第1章 街道と暗渠
第2章 鉄道と暗渠
第3章 都市開発と暗渠
第4章 データと暗渠
第5章 猫と暗渠
第6章 馬と暗渠
第7章 縦軸横軸 七つの視点
第8章 人物と暗渠
第9章 一つの都市を暗渠で斬れば(横浜編)
著者等紹介
〓山英男[タカヤマヒデオ]
中級暗渠ハンター(自称)。1964年、栃木県生まれ。俯瞰と分析・理論化を繰り返し、暗渠を広く捉える
吉村生[ヨシムラナマ]
深掘型暗渠研究家。1977年、山形県生まれ。郷土史を中心に情報を積み重ね、じっくりと掘り下げていく手法で、暗渠の持つものがたりに耳を傾ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あじ
32
既刊【暗渠マニアック!】から早五年、高山・吉村ペアが第二弾を上梓した。あれから私はお二方の教えを胸に『暗渠サイン』を目敏く見つけ、歩く生き甲斐を得てきた。でもそれはあくまで“日常の付属”であって、通りすがりに認識する程度であった。今回本書を読んで『ニャン渠』っていうものに顎がくいっと上がった。車の往来なし人通りなしの暗渠は、ネコのたまり場になっているとの見解。ほほっー面白い!私も独自のサインを見つけたい、そう思った。巻末で暗渠カレー登場。探索に出られない日は模倣するそう。創作依頼したカレーも多数登場する。2020/04/12
RASCAL
20
東京や全国に多々ある暗渠、その紹介本ではない。暗渠の愛で方、楽しみ方を紹介した本。なかには「暗渠カレー図鑑」とかちょっと笑ってしまうものも。井草川縄文散歩とか、ジョアンジルベルトで味わう水窪川とか、いいですねー。やってみよう。 2020/08/16
多喜夢
10
まさに暗渠をテーマにした妄想の世界。諸星大二郎の暗黒神話の馬頭星雲まで登場したのにはびっくり。都内の競馬場の変遷など、新しい知識が増えました。2021/07/01
kei-zu
7
暗渠とは「地下に埋設したり、ふたをかけたりした水路」とのこと。本書の内容は、そんな暗渠の「あんなこと」「こんなこと」。 その歴史に思いを馳せ、地形との関係に考察を行い、海外まで足を延ばすこともあれば、暗渠の長さに音楽家の人生を重ねてみる(何をいってるかわからないよね)。 バラエティに富むといえるし、ごった煮ともいえる。投げっぱなしの話題も少なくない。でも、その緩さも、私たちの暮らしと暗渠の「距離感」なのかなと思う。2021/01/06
tsubomi
6
2022.09.03-10.29:暗渠を様々な切り口から考察した一冊。開渠から完全暗渠までの分類、暗渠サインとして何が適切か?、テーマ別の楽しみ方などディープな内容。特に面白かったのは馬と暗渠(「Hor水路」)と題した競馬場と暗渠の関係、井草川縄文暗渠散歩、ジョアン・ジルベルトで味わう水窪川暗渠、そして「暗渠カレー」。そこまで考えるか?という深堀テーマにもう感心しきり。暗渠を誰かの人生に例えるとか、もう究極の楽しみ方です。そして「青森、北国の水路と生命力」というコラムがあるのも驚き。初耳の内容でした。2022/10/29
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