内容説明
「電力業界」は許認可権をにぎる「官僚」に弱い。「官僚」は人事権をにぎる「政治家」に弱い。だから、「電力業界」は、カネと票で「政治家」に近づく。政官業の三角関係の中で利権が生みだされていく。
目次
第1章 九電王国・支配の構造
第2章 立地のまちへ
第3章 東電OBの告白
第4章 ゼネコンの内幕
第5章 東電総務部の実態
第6章 中部電の裏金システム
第7章 「関電の裏面史」独白
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サトシ@朝練ファイト
23
深いな、予想以上の深さ。三角大福中に善幸と登、今は甘利ね、三木は足らないと言ったとか!逆に金のもらい方ひとつでも人間性がわかるもんだな。金を送った方は天下国家の為と思っているから良心の呵責はないんだね、我々の電気料金から捻出しているわけだけど。それからなぜ、鹿児島の川内原発(九州電力)の再稼働が一番なのかわかった気がする。麻生太郎の家系と言うか、取り巻きもすごいね。途中、水谷、西松と会社名が出てきたので、次は小沢かなと思ったけど〜んん無かった。2017/05/07
coolflat
8
なぜ再稼動1号が九州なのか。それは九電の存在にある。東電や関電はたくさんある企業の一つに過ぎないが、九電においてはライバルが皆無であり、地元経済の生殺与奪権を握っているからだと。その象徴として1章では九電と麻生家の関係、九電と県知事との関係を暴いている。因みに九電の初代会長は麻生太郎の父麻生太賀吉だ。なお2、3章では東電とゼネコンの癒着、7章では関電の歴代首相への裏金の実態を暴いている。7章では角栄から竹下までと首相の個人名を挙げているのだが、首相以外では小沢一郎の名を唯一挙げているところが興味深かった。2014/11/26
ゆきまさくん
2
原発の利権は、東京地検特捜部でさえも、手を付けながらも最終的にはあきらめざるを得なかった事案だという。電力会社と地方自治体、下請けのゼネコン会社、これらの関係はどのようなものであったか。当事者のインタビューもあり、驚くべき内容もある。これがすべてとは思わないが、公共事業とは、カネとは、権力とは、改めて考えさせられる。2020/06/07
サカモト
0
ある程度の読みごたえはあるものの正直詰めが甘く観念的な記載が多いため物足りなさを感じる。取材側のストーリーが既にあり、それに都合のよいインタビューを継ぎはぎしている感が否めない。もっと深層に切り込んでほしかったのに題名負けしている内容。残念。2015/08/16
ソノダケン
0
麻生一族が九州の経済界を牛耳り、九州電力がその尖兵をつとめる。ゆえに川内原発が「再稼働第1号」に選ばれた。21世紀にこんなオリガーキーが存在していることを、関東人のボクは理解できない。つまり近代日本は、いまだ九州を統御できていない。2014/11/18