出版社内容情報
パーム油生産の約6割を誇るインドネシアで、違法な入植行為や環境破壊、人権問題が後を絶たないのはなぜか。人類学的調査の成果。
内容説明
私たちの食生活と消費文化に不可欠となったパーム油。しかし、グローバルな生産量の約6割を誇るインドネシアではいまなお、オランダ植民地時代のプランテーション経営や、開発独裁政治に淵源する土地紛争、違法な入植行為や環境破壊、先住民や移民労働者の人権をめぐるトラブルが後を絶たない。集団間の暴力や排除が生じるメカニズムを、長期にわたる現地調査から明らかにする人類学の成果。
目次
アブラヤシ農園開発と土地紛争
第1部 土地紛争の淵源(共有地権の歴史的展開;大農園に有利な土地分配政策への転換)
第2部 アブラヤシ農園開発をめぐる土地紛争の実態(狩猟採集民族オラン・リンバの土地権―巨大アブラヤシ企業への抵抗と生存戦略;共有地権をめぐる闘い―西パサマン県の事例より;アブラヤシ農園開発とニアス人違法入植者排斥事件;違法入植者に土地権はあるのか―クリンチ・スブラット国立公園の事例分析)
第3部 アブラヤシ農園をめぐるヘゲモニー関係(土地紛争と治安機構;アブラヤシ農園ニアス人労働者をめぐるヘゲモニー関係)
土地紛争解決への提言
著者等紹介
中島成久[ナカシマナリヒサ]
1949年鹿児島県屋久島生まれ、高校卒業まで屋久島に居住。1978年九州大学大学院教育学研究科博士課程(文化人類学専攻)中退。1978年九州大学教育学部附属比較教育文化研究施設助手。1982年法政大学第一教養部助教授、教授を経て、2000年国際文化学部教授。2020年大阪大学博士(国際公共政策)、法政大学名誉教授。退職後屋久島に帰郷(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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