出版社内容情報
"利き腕を失った武田家家臣の雨宮軍兵衛は失意に沈む日々を送っていた。数年前に命ぜられた川除(かわよけ)奉行の仕事にも生き甲斐は見出せない。だが漢籍から治水の技術を学び、また村の女子衆(おなごし)らとともに治水工事に取り組むうちに、軍兵衛の意識は少しずつ変わっていく。軍兵衛の第二の人生と、武田家の命運を握る一大治水工事の行方は――。
戦国の世、武功が第一だった時代に、戦に出ず村に残る人々はどのように生きていたのか? そこに著者はあたたかいまなざしを注ぐ。厳しい自然状況の中、氾濫をたびたびおこす川=「水龍」と戦ったある一人の男の生涯と、個性豊かな登場人物たちの生き様が絡み合う、傑作長編時代小説。
第4回朝日時代小説大賞受賞作! 著者は小説現代長編新人賞とのW受賞を果たし、朝日新聞「ひと」欄の記事も話題を呼んだ。"
内容説明
もはや戦には出られない。利き腕をなくし失意の底に沈む侍の軍兵衛。しかし今度は「水龍」と戦うのだ―。戦から残された女子衆と力を合わせ、軍兵衛は一大治水工事に命を賭して臨む。「信玄堤」完成までのドラマに迫る傑作長編。第4回朝日時代小説大賞受賞作。
著者等紹介
仁志耕一郎[ニシコウイチロウ]
1955年、富山県生まれ。東京造形大学卒業後、広告プロダクションや広告代理店などでアートディレクター・CMプランナーを務める。四十代半ばで小説家を目指す。2012年6月、『玉兎の望』で第七回小説現代長編新人賞、『無名の虎』で第四回朝日時代小説大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BlueBerry
Book Lover Mr.Garakuta
及川まゆみ
007
本夜見