無名の虎

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  • サイズ B6判/ページ数 236p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022510259
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

"利き腕を失った武田家家臣の雨宮軍兵衛は失意に沈む日々を送っていた。数年前に命ぜられた川除(かわよけ)奉行の仕事にも生き甲斐は見出せない。だが漢籍から治水の技術を学び、また村の女子衆(おなごし)らとともに治水工事に取り組むうちに、軍兵衛の意識は少しずつ変わっていく。軍兵衛の第二の人生と、武田家の命運を握る一大治水工事の行方は――。
戦国の世、武功が第一だった時代に、戦に出ず村に残る人々はどのように生きていたのか? そこに著者はあたたかいまなざしを注ぐ。厳しい自然状況の中、氾濫をたびたびおこす川=「水龍」と戦ったある一人の男の生涯と、個性豊かな登場人物たちの生き様が絡み合う、傑作長編時代小説。
第4回朝日時代小説大賞受賞作! 著者は小説現代長編新人賞とのW受賞を果たし、朝日新聞「ひと」欄の記事も話題を呼んだ。"

内容説明

もはや戦には出られない。利き腕をなくし失意の底に沈む侍の軍兵衛。しかし今度は「水龍」と戦うのだ―。戦から残された女子衆と力を合わせ、軍兵衛は一大治水工事に命を賭して臨む。「信玄堤」完成までのドラマに迫る傑作長編。第4回朝日時代小説大賞受賞作。

著者等紹介

仁志耕一郎[ニシコウイチロウ]
1955年、富山県生まれ。東京造形大学卒業後、広告プロダクションや広告代理店などでアートディレクター・CMプランナーを務める。四十代半ばで小説家を目指す。2012年6月、『玉兎の望』で第七回小説現代長編新人賞、『無名の虎』で第四回朝日時代小説大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

BlueBerry

44
割と無難に治水事業に半生を掛けた男について書かれている本でした。序盤○中盤○ラスト○2014/03/21

Book Lover Mr.Garakuta

12
日本史戦国期の治水事業のお話。甲斐武田か戦争のみならず内政の技術力も凄かった。おすすめ本である2020/02/11

及川まゆみ

11
第4回朝日時代小説大賞作品。怪我で戦に出られぬ軍兵衛(架空)が甲斐の水害(河川)に立ち向かう物語。主人公や他の男がかっこいいわけでもなく、むしろヘタレだったりするが、なにしろ妻のゑいからして女衆がたくましい。女性が元気な話は爽快です。信玄かっこよかったな。選評で会話で話を運びすぎ的な指摘をされていたが、確かに会話が多い。同じことを繰り返してしつこいと思うところもあるが、その会話ゆえに読みやすい。この賞はドラマ化検討と銘打ってますが未だに無し。この作品も時節柄ちょっと無理かな。なにせ水害の描写が…。良作。2012/12/04

007

10
朝日時代小説大賞作。読後感は良かったです。将来有望だったが、怪我のためもう戦に出ることが出来なくなった甲斐武田家臣軍兵衛が治水工事の陣頭指揮に。朴念仁の軍兵衛をからかう村の女子衆が楽しい。でもその女子衆も夫を戦にとられ、相次ぐ川の氾濫で全てを流され、年貢も厳しくなる一方。戦国の世の村人の苦悩が伺われました。女子衆のリーダーを娶ったことなど、全体的に女性の活躍が目立ち好感が持てました。「玉兎の望」も楽しみです。2012/12/04

本夜見

9
治水…って事で堅苦しい建設工事と政治的な話ばっかかなー?とパラパラめくってみたら。意外と読みやすいし 面白くて。男達を支えるゑんやおサトが個性的で(とくにゑんが♪)印象的でした。2013/08/07

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