平成猿蟹合戦図

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  • サイズ B6判/ページ数 500p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022508928
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

歌舞伎町で働くバーテンダーが、ニッポンの未来を変えていく!?新宿で起きた轢き逃げ事件。平凡な暮らしを踏みにじった者たちへの復讐が、すべての始まりだった。長崎から上京した子連れのホステス、事件現場を目撃するバーテン、冴えないホスト、政治家の秘書を志す女、世界的なチェロ奏者、韓国クラブのママ、無実の罪をかぶる元教員の娘、秋田県大館に一人住む老婆……一人ひとりの力は弱くても心優しき8人の主人公たちが、少しの勇気と信じる力で、この国の将来を決める“戦い”に挑んでゆく! 思いもよらぬ結末と共に爽快な読後感がやってくる、著者の新たな代表作。

著者等紹介

吉田修一[ヨシダシュウイチ]
1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年「最後の息子」で第八四回文學界新人賞を受賞し、デビュー。2002年『パレード』で第一五回山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で第一二七回芥川賞、2007年『悪人』で第六一回毎日出版文化賞、第三四回大佛次郎賞、2010年『横道世之介』で第二三回柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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射手座の天使あきちゃん

214
初吉田さん 明るく軽快なタッチでした、意外!!(笑) だだストーリー展開が目まぐるかったぁ! 男に逃げられた女の奮闘記かと思いきや、チェロ奏者の轢き逃げ身代わり脅迫事件へ、はたまたクラブのバーテンダーのサクセスストーリーにと、次々と話掘りまくりぃ! だけど、まぁ いっか(笑) ほのぼの系にニンマリですぅ (^_^)v2012/07/14

なゆ

136
最後になってもう一つの猿蟹合戦が見えて、ああそうか!とすっきり。轢き逃げ事件から始まる思い付きの脅迫が、周囲の人間を巻き込みながら、ヤクザや大物政治家まで絡む話に。ハラハラさせられる前半に対し、最後は熱い衆院選にドキドキ。敏腕マネージャー園夕子の鋭い勘と機転のきいた采配に、最初調子がいいだけで頼りなかった純平や朋生がイキイキしてくるのが面白い。悪だくみはしても悪人にはなりきれない純平や、やけに裏社会や政界にも通じる園夕子や面倒見のいい美姫ママなど魅力的な人物も多い。サワおばあちゃんの東北弁が、オアシス。2012/04/03

財布にジャック

113
因果応報が目白押しな平成版の猿蟹合戦でした。あの人が猿なのかと思っていたら、この人も猿でびっくりといったように人間関係が絡み合っていて面白かったです。最初は訳ありの人ばかりで暗い話なのかと構えていたら、あれよあれよと話は違う方向にむかい、本を閉じる時にはニヤリとしてしまいました。サワおばあちゃんの秋田弁のお話が、最後まで聞きたかったです。 2011/11/29

ちはや@灯れ松明の火

106
世界など変わらぬものと社会の底辺付近で息を潜める少数派彼等、けれどお伽噺の勝ち組は弱者と相場が決まっている。親の敵を討つために憎い猿へと突きつけた蟹の鋏が火蓋を切る。夜の東京歌舞伎町で遭遇した東北男と九州女、渡る世間は意外と狭い。轢き逃げ替え玉事件と恐喝大作戦、罪を憎んで人を見逃せ。水商売から国政への華麗な転身、成り行き任せの馬子にも衣装。何処まで正義で何処から悪?酸いも甘いも嚙み分けたって喉元過ぎれば同じ味。家族愛に義理人情、利害関係で結ばれた混成チームが変えていく日常、笑った者勝ちなら笑わにゃ損損。 2011/11/15

しろいるか

92
ああ、なるほど猿蟹合戦!個人戦だと歯が立たなくても団体戦なら悪に立ち向かえるってことか。読み終わってタイトルが腑に落ちる。群像劇なのでとにかく登場人物が多い。しかも徐々に増えていく。加えて視点が複数変わるので、前半はそれぞれの視点での展開を追っていくのが大変だが、それらが繋がってくるとともに読むスピードも増していく。敏腕マネージャーの園さん、カッコよかったな。その筋にも動じない、ピンチも弱点も巧く利用する手腕。展開がご都合主義な面があるものの、題材も面白いし痛快なエンターテイメントだと思う。2012/08/22

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