出版社内容情報
秀才は「頭が速く」,教育も短くてすむ.反秀才は「頭は強い」が,仕上がるのに時間がかかる.学者や各界に反秀才を見出しながら,科学的知見を楽しく綴る科学・教育エッセイ.橋本久義解説
内容説明
秀才は「頭が速く」、教育も短かくてすむ。反秀才は論理より情熱が上回り、「頭は強い」が、仕上がるのに時間がかかる。NASAの研究所で出会った驚異の反秀才、「航空のアインシュタイン」ことR・T・ジョーンズをはじめ、学者や音楽・スポーツの世界などに反秀才を見出しながら、科学的知見を楽しく綴る科学・教育エッセイ。
目次
1 反秀才たちとの出会い(ひとつの提言―もっと反秀才を;ある反秀才との出会い ほか)
2 叡知と独創(とんぼ釣りの戦慄;カンと日本人 ほか)
3 科学の中の人間学(楽興の時、創造の時;科学文化の中のユダヤ人 ほか)
4 反秀才論(超個性;豪快の気風 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばにき
1
著者は,反秀才と秀才どちらもすごいと言う。特に序盤の「博士課程は「頭がいい」より「頭が強い」方が生き残る」とか「知的飢餓感」の話がおもしろく,勇気づけられた。2021/02/12
クロックス
1
タイトルに惹かれた。著者は航空工学の研究者だが、音楽、相撲、柔道、歴史、文学などがエッセイでも取り上げられていて非常に面白い。反秀才とは、頭が強く、仕上がりが遅い。いわゆる大器晩成タイプであると思う。研究者というのは自分の分野一辺倒という気がしていたが、実に幅が広かった。意識の超流動という比喩は面白かった。また、断食などのことも書いてあり、興味が沸いた。「反秀才」というキーワードに沿っていないものも多いが、それは気にせずに自分が読みたい箇所だけ読んでも非常に満足できる。2009/10/05