出版社内容情報
作家人生を歩み始めたばかりの若者。やがて小説の名手と呼ばれる彼は、その未知なる日々に何を想い、綴ったのか――。デビュー作『永遠の1/2』の受賞記念エッセイである表題作、初の映画化をめぐる顛末記、友人から預かった猫と漱石・谷崎の小説を題材にした「猫と小説家」など、瑞々しくユーモア溢れる初期作品を収録。
内容説明
一九八三年、二七歳の春。規定枚数二五〇枚の新人賞に、七〇〇枚の原稿を送った。ペンネームは佐藤正午。翌八四年、青年はプロ作家の道を歩き始める。やがて小説の名手と呼ばれる彼は、その若き日々に何を想い、綴ったのか―。デビュー作『永遠の1/2』の受賞記念エッセイである表題作、初の映画化をめぐる顛末記「映画が街にやってきた」など、瑞々しく親しみ溢れる初期作品を収録。
目次
一九八四年
一九八五年
一九八六年
一九八七年
一九八八年
一九八九年
一九九〇年
初出不明
著者等紹介
佐藤正午[サトウショウゴ]
1955年8月25日、長崎県佐世保市生まれ。北海道大学文学部中退。1983年、『永遠の1/2』(集英社、1984年)で第7回すばる文学賞を受賞。2015年、『鳩の撃退法』(小学館、2014年)で第6回山田風太郎賞を受賞。2017年、『月の満ち欠け』(岩波書店)で第157回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こすも
7
佐藤正午さんの大ファンで、品切れの『私の犬まで愛してほしい』を古本で定価の2倍の値段で入手するほど。 昨年発売されたエッセイ・コレクションはこれまで発表したエッセイを古い順に並べて編集したものです。 僕は佐藤正午さんの全ての著作を持っているので、こちらに収められたエッセイを1度は読んだことがありますが、大ファンとしては普通の文庫の2倍の値段がする岩波現代文庫であろうとも入手するのであります。 エッセイの感想を書いてしまうとⅡとⅢで書くことがなくなってしまう気がするので、とりあえずここまで。2025/01/26
O-chami
3
すばる文学賞「永遠の1/2」でのデビューから作家生活40周年を迎え受賞記念エッセイの表題作から、ほぼ読まれなかった(当時僕も発売されてた事すら知らなかった)と思われる初エッセイ「私の犬まで愛してほしい」からの再録や過去の未収録エッセイ等が改めて読めるのはファン冥利に尽きます。同級生作家が若き日々に何を想い綴ったのか…本当に嬉しく面白い!BGMはこの第①巻で取り上げられたBOB DYLANで「Mr.Tambourine Man」~「The Time They Are A-Changin'〜時代は変わる」🎶2024/09/29
ちえぞう
2
学生時代に本を読まなかったことを痛烈に反省するのであった。佐藤正午さんの40年間の作家人生を振り返り、駆け出しのころのエッセイ集なんだけれど、私の出身地、北海道で学生時代を過ごしたこと、また私の出身大学で講演会らしきことをやっているではありませんか。ああ、あの日に帰りたい。月の満ち欠け、からなんだもんなー。エッセイなんだけどパラパラ読める感じではなく、なんかダメな男の人のドキュメンタリー見ている感じがよかった。2024/08/10
四面楚歌
1
後の二冊も楽しみ!2024/10/05
みんな本や雑誌が大好き!?
1
小・中・高校時代の回想から始まります。ホームズやルパンシリーズを小学校の図書館で借りてむさぼり読んだり、物理で赤点を取った話など……。1955年生まれですから、私よりちょっと年上のオンチャンですが、似たような青春時代を過ごしているだけに、親近感も湧いてきます。 地元出身の野呂邦暢氏の『諌早菖蒲日記』に感銘を受けてファンレターを出したら返事をもらった逸話など……。作家となっていく佐藤さんの旅立ちの日々が綴られてもいました。 2024/10/15