感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハルト
7
読了:◎ 人形と短歌の交合、第二歌集。人形の骨という白く儚く埋もれている存在が歌われている。人形というひと形の死の静謐さを纏し美しきもの。九相図のごとき死の深淵を見つめながら、人形たちは息ならぬ言葉をそっと吐き出す。妖艶で清らかである人形たちの宿命が語られる。今回も人形と短歌合わせて美しい歌集だった。2024/09/23
mayuri(Toli)
5
大好きな歌人さんの川野さんと、これまた大好きな人形作家さんである中川さんの共作人形歌集第2弾。嬉しすぎる。第1作目のような魂の高貴さを貫きながら、それよりも、まるで上質なレースで包まれているかのような、柔らかい心地よさを感じた。人形というのは夢見るくらい軽やかな存在なんだよなと、改めて感じる。この歌集は人形たちが微睡みみた夢なのだね。個人的には両著者らしさをより感じたと言う点で一作目以上に好みでした。2025/05/25
氷沼
2
第一歌集『羽あるいは骨』に続く第二歌集。 こちらも装丁が美しい一冊。第二歌集ということで、今作も人形作家の中川多理さんとの共作。 数十ページしかないが、蠱惑的な人形達と、川野さんの幻想的な詩は相変わらずの世界観を築く。 僕には『羽あるいは骨』の方がインパクトが大きかったかな。2024/07/25
むすび
1
人形歌集第2弾。馴染みの少女人形と、その祖先や進化系のような異形の人形達。今回は1頁一首では足りなかったようで、第1弾より賑やか。人形に合わせて歌の幅も広くて、妖しくも楽しい作りになっている。 「わが夢ゆ」と「骨のかたちに」で表紙を成す「骨ならびにボネ」がとても好き。夢においては人形こそが軽く、自由で、永遠を生きる完璧な人間なのだと思える。ドレス、リボン、ボンネットと、歌人のロリィタ愛を通した幻視にもときめいた。2025/02/23
モリヤマ リン
1
読了。細工物のような繊細な装丁が美しい本。短歌と写真が織りなす世界は静かで、日常の騒がしさから一時解き放ってくれた。これからも、続いて欲しい歌集。2024/05/27