出版社内容情報
『三国志演義』は乱世を生き抜く智恵の言葉の宝庫。物語の〈さわり〉に即して選び出された名言・名句に、現代語訳と解説、情景を彷彿させる挿絵を添える。名場面・名調子の響きの楽しさに、声に出して読みたくなる1冊。
内容説明
『三国志演義』は乱世を生き抜く智恵の言葉の宝庫。波瀾万丈の物語にちりばめられた名言・名句を一六〇項目選び出し、本文(原文・読み下し文・現代語訳)を掲げ、解説を付す。本文の調子の高さ、響きの楽しさに、思わず声に出して読みたくなる!三国志ファン必携、三国志初心者も楽しめる一冊。情景を彷彿させる挿絵も多数おさめる。
目次
1 乱世の開幕―得て何ぞ喜ぶに足らん、失いて何ぞ憂うるに足らん
2 華北に覇を争う―忠言は耳に逆らう
3 赤壁の決戦―酒に対いて当に歌うべし。人生幾何ぞ
4 三国鼎立の時代―既に隴を得て、復た蜀を望まんや
5 英雄たちの退場―竹は焚く可くも、其の節を毀つ可からず
6 天下ふたたび一統―天数茫茫逃がる可からず
著者等紹介
井波律子[イナミリツコ]
1944年富山県生まれ。京都大学大学院博士課程修了。国際日本文化研究センター名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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neimu
42
諏訪緑の「孔明ー時の地平線」を読んだので、再読。名台詞はもちろん、三国志演義ではこう、史実ではこうと比較して説明があるのでとても分かりやすい。なるほどなー、この部分は真逆に描いてるなあ、横山光輝は捻りもなく演義のまま人物描いてるなあ。少女漫画歴史ファンタジーはこうでなくちゃと楽しみながら読み返した。著者の伊波さんは先月亡くなられたばかり。もっともっと長生きして活躍してほしい人だったのに。漫画のファンの人にもこの本は読んで欲しいなあ。三国志の世界に躍動感と彩り、奥行きを与えてくれるよ、簡単に易しく。2020/06/27
neimu
41
三国志に熱中したのは小学校高学年ぐらい。小学館少年少女世界の名作文学で読んで、随分感動したのが最初の記憶。当時読んだ水滸伝も同じく、漢字や人物を沢山覚えて日本の歴史と異なる世界観・英雄譚に浸った。高校の漢文で中国的世界観再認識。粗筋を追う楽しさから、生き方や倫理観の違いを知った当時の記憶を辿りながら、三国志の個性的な面々・場面を味わった。体が思うように動かない今、こういう読書は楽しい。心だけが躍動する感覚が、手足にエネルギーを送ってくれる気がする。若い頃とは異なる感覚で人生を重ねて読み返せる今が貴重。2019/04/28
ももすけ
23
名言と共に、三国志の世界を順にたどれるのが良い。名言から、かの人物達の姿を生き生きと感じることが出来ました。やっぱり面白い。2025/06/05
Ise Tsuyoshi
3
三国志名言集という名前の「三国志名場面集」。三国志演義の名言、名台詞を演義の流れに沿って紹介している…と書くと類書がたくさんありそうだが、そこは演義の全訳者であり、現代屈指の中国文学者が書いたものだけにひと味違う。ときには正史も引用しながら、人物像や背景も描きだしており、これ1冊あれば三国志の世界を十分に堪能できる。もっとも、これを読むと、また演義を一から読みたくなってしまうのだが(笑)2018/10/03
Ryuji
3
★★★★☆『三国志演義』の名言・名セリフを演義のストーリーや歴史上の背景などを交え紹介・解説した本。「黄巾の乱」から「西晋による統一」まで時系列で書いてくれている(というか「演義」の流れに沿っている)ので、私の大好きな「吉川英治・三国志」の解説本を読んでいるような感覚であった。原文(漢文)をきちんと現代和訳してくれているので、とても読み易く分かり易い。また『正史三国志』との書かれ方の違いなども、ところどころ織り交ぜて書かれておりその比較も面白かった。2018/05/12