出版社内容情報
象徴天皇制,六三制教育,労働改革,政治犯解放からレッドパージへ…現代日本の基礎をつくった占領時代の全貌を,「カムカム英語」とアメリカンデモクラシーへの驚きの体験をもとに,膨大な史料を駆使して描きだした.
内容説明
象徴天皇制、六三制教育、政治犯解放からレッドパージへ…現在の日本をつくった占領時代の実態はいま余りにも知られていない。本書は戦後はじめてふれた「カムカム英語」とアメリカンデモクラシーへの驚きをきっかけに現代史研究を志した占領期研究の第一人者が、膨大な史料を駆使して描いた日本占領の全貌である。
目次
序章 沖縄・北方領土からの視点
第1章 占領体制の成立
第2章 象徴天皇制への軌跡
第3章 政治犯釈放の一〇日間
第4章 レッドパージ前史・横須賀事件―全進労忠誠署名事件
第5章 レッドパージ
第6章 政治改革―昭和二〇年衆議院議員選挙法改正とGHQ
第7章 戦後警察改革構想―「民政ガイド」を中心に
第8章 戦後労働改革構想―「極東委員会一六原則」の成立まで
第9章 戦後教育改革構想―民主教育へのいざない
第10章 戦後デモクラシーと英会話―「カムカム英語」の役割
終章 戦後民主主義の検証
著者等紹介
竹前栄治[タケマエエイジ]
1930年長野県生まれ。東京教育大学文学部卒業、東京都立大学大学院社会科学研究科修了。現在東京経済大学教授
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そのあとに続く
2
第二次世界対戦後、GHQを中心とした占領の始まり・過程をのちに公開された資料を丹念に調べあげた良書。終結以前から、様々な立場から占領における政策がつくられる様子。また、アメリカの国内事情も反映されて微妙な方向転換をきたしてしまう面もあるのだが、一筋縄ではいかない。個人的に強い印象を持ったのは、当時ラジオで英会話番組をしていた先生の話。2013/06/04
D.Okada
1
第3章「政治犯釈放の10日間」は読む価値ありだと思います。大変勉強になりました。2010/01/25
ロバタ
0
戦後、GHQがどうやって日本の占領政策に取り組んでいこうとしたか、また戦後日本の原点を探るのにも役立つ参考書です。 特に戦後教育改革構想は現代にも通じる要素が含まれており、考えさせられます。 憲法改正という話題が身近になってきた今だからこそ、憲法を考える上でその誕生背景を探る機会に利用してもよいかもしれません。 ただどの本にもいえることですが、著者の思想的発言に関しては一考する必要があると思いました。2013/08/13
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- 和書
- 翔ぶが如く 〈2〉