内容説明
自治体は内閣や省庁に従属するの?市町村長と議会の役割は?現実に自治体は何をしているのだろう?じつは、憲法はひじょうに強い自治権を保障し、住民は政策決定に間接・直接に関われるようになっています。暮らしをよくするための地方自治のあり方と住民の役割を、いっしょに考えてみませんか。
目次
第1章 私たちの暮らしと行政サービス
第2章 どうして地方自治があるのだろうか
第3章 住民が地方自治の主権者
第4章 自治体の組織は二元代表制
第5章 住民は政治に参加できる
第6章 政策はどう決まり、どう実施されるか
第7章 自治体財政はどうまかなわれているか
第8章 国と自治体の関係はどうなっているか
第9章 地方自治の過去・現在・未来
第10章 地方自治の未来のために
著者等紹介
村林守[ムラバヤシマモル]
1948年三重県生まれ。京都大学卒業。三重県に勤務。総合企画局長、政策部長を経て、2007年退職。三重中京大学現代法経学部教授、同地域社会研究所長を経て、2013年退職。現在、三重中京大学名誉教授、三重県立看護大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スプリント
8
某都知事の最低な会見をみて地方自治についてあらためて勉強。 この本だったら政治資金で購入しても良し。 でも読むのは職を辞してからにしてほしい。2016/06/13
hk
7
「地方自治は大統領制に近い」 このワンフレーズが非常に腹落ちした。国政においては議院内閣制と政党政治の足し算により、立法と行政は昵懇の関係になってしまいがちだ。一方で地方政治においては立法を担う議員選挙とは別に、行政を担当する首長を直接投票で選ぶ。そのため、立法と行政の間で相互チェック機能が働きやすい。……だがしかし、昨今では地方政府の首長が政党を立ち上げて、その政党からイエスマン地方議員を送り込むという手法が横行している。ひっきょう、地方自治においても政党政治色が強くなり相互監視力は弱くなっている。2016/04/05
Hiroshi
6
元三重県庁の職員で大学の非常勤講師等をしている著者が、地方自治の全体を理解し、地方自治の基本的な仕組みを知り、身近な暮らしから地方自治の実像を見てもらいたくて書いた本。『財政のしくみがわかる本』の姉妹編として書かれた。私たちの社会を支えるのは、①強制力により人を従わせて社会を纏めていく政治システム、②自発的な協力によって比較的小さな社会を纏めていく社会システム、③お金を媒介にして社会全体で分業しながら必要な財やサービスを生み出していく経済システムだ。政治システムが提供している財やサービスが行政サービスだ。2024/02/06
ひでき
5
これぞ地方自治の教科書。ジュニア新書なんだけど、中高生が読んで分かるものなのかしら。文章は平易にするのを心がけているけど内容は深い。国の下請け的な「地方行政」から脱却する「自立経営改革」が必要ではないか、とのこと。2024/04/17
じんべえざめ
5
とても分かりやすい地方自治の入門書。三重県庁にこのような優秀で熱意のある職員がいたこと。宝だと思う。わたしも基本書をあと数冊きっちり読み、地方自治の基礎を固めたい。表紙に写真が使われているため、肖像権の絡みなのか、読書メーターでは表示されずに残念です。良書。2020/06/01