出版社内容情報
たくさんの精子をもつオス,数少ない卵子をもつメス.オスは同性と争って,メスはよいオスを選んで,自分の子どもを残そうとする.モンシロチョウは頭と足を使ってけんめいにメスをさがす.ガガンボモドキのメスは,オスのプレゼントの品定めをする.動物のさまざまな生殖行動から,オスとは,メスとは,性とは何かを考える.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
無識者
11
ジェンダー論というと社会的な女性、男性について論じるわけだけれども、その前に生物学の視点を見ておきたかった。オスとメスとの違いは作る配偶子の違いであり、それの負担の違いによって役割が変わってくる。配偶子を作る負担の軽いものの方が余る側になってしまうので、奪い合いの中で獲得努力を課せられる。さて、人間では当然女性の負担の方が重いので生物学的に考えれば、女性の地位の方が高くなるが、それが現実には違うわけである。そうなるのにあたってどのような経緯があったのかが気になるところ。2017/05/17
ナナシ
1
薄々感じてはいたが、オスとメスではメスの方が負担が大きいということを「搾取」とまでいう程断言している。野生動物を見ていてもオスがメスに遜る事例は事欠かないし、納得。子供が親無しで生きていけるか否かで、オス側の行動様式が変化するのが分かり易かった。一夫多妻、一夫一妻は環境によって変動するが現代社会だとどちらが適応しているのか。2019/01/16