岩波新書<br> 自負と偏見のイギリス文化―J・オースティンの世界

  • ポイントキャンペーン

岩波新書
自負と偏見のイギリス文化―J・オースティンの世界

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 179,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004311492
  • NDC分類 930.28
  • Cコード C0298

内容説明

イギリスではオースティンの作品は出版されて以来、その人気が衰えたことはない。一九八〇年代からは、その作品が次々に映像化されるとともに、続編や翻案も書かれ、空前の「オースティン・ブーム」が続いている。イギリス人はなぜオースティンが好きなのか。主要作品を手がかりにイギリス人のユーモア感覚、階級意識、恋愛観を探る。

目次

第1章 オースティンは「お上品」ではない―奢侈と堕落の時代の文学(奢侈と堕落の摂政時代(一八一一~一八二〇)
どぎついユーモア)
第2章 パロディから始まる恋愛小説―分別と多感のヒロインたち(同時代の小説の非現実性を笑う;ヒーローもヒロインも笑いの対象;「現実的」なヒロイン)
第3章 恋愛と結婚―女性の死活問題(夫を得るための大作戦;独身女性の運命)
第4章 アッパー・ミドル・クラスのこだわり(小説に「現実」を反映させる;階級をめぐるスノビズム)
第5章 オースティンと現代―空前のブームの背景(オースティンの新たな世界;オースティンの「続編」と「翻案」)

著者等紹介

新井潤美[アライメグミ]
1961年生まれ。1990年東京大学大学院博士課程満期退学。専攻は比較文学比較文化。現在、中央大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

61
「自負と偏見」の作者と作品の解説本。書簡や習作や未完作品などの要約や引用が豊富。作者の実像や当時の階級意識や時代背景などが詳しい。ただ自分には数十年前この小説一冊しか読んでなくて、さらに内容がうろ覚えなせいもあり、著者のオースティン愛に圧倒され、あまり思い入れがない作家なので読み飛ばした箇所が多かったが、ファンにはたまらない本だろう。書簡に小説作法として「社交界の様子など、知ってることだけを書く(知らないことを書かない)」というのがあったそうで納得。映画で英国版と米国版でラストを変更している話など。2017/04/13

さつき

38
読友さんのレビューを見て興味を持ちました。オースティンは好きで結構読んでいましたが、知らないことが多かったです。作中でも間違う人が多いと指摘されてましたが、てっきりヴィクトリア朝の人だと思っていました。その前のリージェンシーを生きた人なんですね。『ブリジット・ジョーンズの日記』がオースティンの作品を下敷きにしているのも知りませんでした。今度読んでみようかな!2016/10/21

giraffer SACHIヽ(*^^*)ノ少しずつですが毎日読んでます!

28
再読本にしたい1冊。こういう時代背景について書かれた本を読んだり、映像化の解釈をいろいろ観て理解を深めてから、原作に取りかかりたいと思っている(^^)2017/05/02

しぃ

25
オースティン作品の注釈をより詳しくしてもらった本でした。当時の慣習、階級などを詳しく知れば知るほど、オースティンが紡ぐ何気ない一文にもさらりと皮肉が込められていると分かります。知らなくても面白いけど、知ればもっと面白いからこそ、これだけの年数が経った今でもオースティン作品は愛されるのだろうなと。また読みたくなっちゃう。2018/05/18

ゆずな

23
私が求めていたオースティン論はこれこれ!という感じの本書でした。18-19世紀の時代背景と各作品の要素を照らし合わせて、この時代のイギリス文化はこんな特徴があった、という論調で教えてくれる。オースティンの完結6作品を読んでるからこそ理解できる。ますますオースティンが好きになったし、色んなパロディ作品も気になるところ。ダイナミックな物語も好きだけど、やっぱり日常の機微を描くオースティン作品はほっこりして好きだな。2022/08/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/566240
  • ご注意事項