出版社内容情報
発火する経済.地方政府の暴走.都市に向かう民衆の奔流.現在の混乱は,改革・開放路線の必然なのか.一九七八年以来一六年間の「総設計師」〓小平.その「思想」の何が,どのような現実を中国にもたらしたのか.「〓以後」をめぐり,種々の憶測が飛びかう中,北京特派員・香港支局長の経験に基づき,中国の〈いま〉を報告し,明日をよむ.
内容説明
発火する経済。地方政府の暴走。都市に向かう民衆の奔流。現在の混乱は、改革・開放路線の必然なのか。一九七八年以来一六年間の「総設計師」〓小平。その「思想」の何が、どのような現実を中国にもたらしたのか。「〓以後」をめぐり、種々の憶測が飛びかうなか、北京特派員・香港支局長の経験に基づき、中国の〈いま〉を報告し、明日をよむ。
目次
第1章 〓小平の「社会主義」
第2章 後退する政治改革
第3章 「南巡講話」と開発区の暴走
第4章 〓小平路線と腐敗
第5章 農村における離心・流動
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
huchang
3
何度も粛清されてはその度によみがえる「火の鳥・大陸の小さいおじさんバージョン」というイメージを持ってた。手塚治虫のやつは焼き鳥にしてやろうかというくらいムカつくことも言うんだが、今回、鄧小平にそのイメージが加わった。それはともかく、あの統治体制は、民草というものはアホやねんから余計なことせんでよろしい、というアレなんやが、そのアホが余計なことをせずに都合のいいことばかりするわけがないのであって、アホな民草の行動を読み切れると思ったのが共産主義であり社会主義で、鄧小平はその申し子だったんだな。2024/02/03
東側ギャン
0
発行が1995年なので約20年前の話だけど、今現在まさに遺産に良くも悪くも影響受けているんだよなぁ・・・という感じ。あいかわらず汚職腐敗はぶっとんでんなぁ・・・と2016/05/16
ナナ吉衛門
0
中国の近代史で彼を除いて語る事は出来ない人物。文化大革命で二度失脚して二度目は73歳、それから15年間権力の中枢に君臨して、今日の社会主義資本制度を作り上げた。彼の思想は社会主義であろうと資本主義であろうと生産向上が目的であり、その点では中国13億を養っていくには社会主義でないと統一出来ないと言う理由以外、資本主義、社会主義にこだわりはない。ただし、一党独裁での汚職や都市部と農村との格差是正は彼が考えていた方向性とは違ったようだ。 現在の中国の躍進において、是非はともかく彼の功績は大きと思う。 2015/04/04
マーキス@ショスタコーヴィチP
0
今の中国は名実ともに経済大国になりつつあるが、なぜそうなったのか、そしてどういう歴史があったのかを解説する本。「社会主義であろうと資本主義であろうと、生産力を上げるという点では矛盾していないので、社会主義が市場を活用しても問題はない。計画だろうと市場であろうと、方法である。」というなんともアクロバットな発想が鄧小平の思想である。 2009/09/09