出版社内容情報
高齢化社会の進展にともない,アルツハイマー病に代表される老人性痴呆症は,ますます深刻な問題となっている.人間は一体なぜボケるのか.治療の可能性,予防の方法はどこまでわかっているのか.神経科学の最前線で活躍する著者が,環境のなかの危険因子が脳に与える影響も指摘しつつ,老人性痴呆症のメカニズムに迫る.
内容説明
高齢化社会の進展にともない、アルツハイマー病に代表される老人性痴呆症は、ますます深刻な問題となっている。人間は一体なぜボケるのか。治療の可能性、予防の方法はどこまでわかっているのか。神経科学の最前線で活躍する著者が、環境のなかの危険因子が脳に与える影響も指摘しつつ、老人性痴呆症のメカニズムに迫る。
目次
序章 脳のしくみと知的活動
第1章 生理的なボケ、病的なボケ
第2章 アルツハイマー病の実態
第3章 アルツハイマー病の原因追求
第4章 ニューロンの栄養因子
第5章 ニューロンはどうして死ぬのか
第6章 脳の障害と外からの毒物
第7章 アルツハイマー病の危険因子
第8章 最後のフロンティアへの挑戦
第9章 ボケの治療と予防
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
9
データが1992年と古すぎて、今となってはあまり参考にならなかったし、私の求めていた内容と異なっていた。しかしアルツハイマー以外にも症状を引き起こす病気が存在するということがわかったのはよかった。2013/08/03
Takao
1
1992年11月20日発行(1993年1月14日、第3刷)。近所の古書店での入手。「痴呆」が「認知症」に変わったのが2004年。まだ「ボケ、痴呆」と呼ばれていた30年近く前の出版。アルツハイマー病を中心とする老人性痴呆症が、脳の中のどのような異常によって起こるのかを、正常な脳の仕組みをもとにわかりやすく解説しようとしたもの(はしがき)。ニューロン、シナプス、といったヒトの脳の中の仕組みや働きについて詳しく書かれていた。有機水銀(水俣病)やアルミニウムなどの化学物質が脳に与える影響について興味を持った。2020/03/12
asunaro
0
老い32025/03/17
Naota_t
0
★3.3 95年の本だけど面白い。脳の領域は、実験が困難であり、反復可能性が実証するのも難しい。ボケ、と一言に言っても、線引きが難しく、症状の進行も徐々であるので、実験自体の困難さと伴う。中でも、感銘を受けたのは公害の部分である。科学技術の進歩により様々な物質が増え、生活は豊かになった反面、その物質が人体にどのような影響が出るかは等閑になっていた。水俣病のように、人体に数十年かけて蓄積されて発症する例もある。自然発生的なボケだけでなく、人為的な行為によって引き起こされるボケがあることを知ることも重要だ。2018/10/20