朝日選書<br> 歯痛の文化史―古代エジプトからハリウッドまで

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朝日選書
歯痛の文化史―古代エジプトからハリウッドまで

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  • サイズ B6判/ページ数 352p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022630612
  • NDC分類 497.2
  • Cコード C0322

出版社内容情報

歯痛は人類の歴史と共にあった。呪術で直した古代から、中世床屋外科の荒療治を経て入れ歯、ブリッジ、麻酔が登場し、治療は近代化されていく。歯の守護聖人、ジョフィーヌ妃、ワシントン、ディズニーも登場して歯のエピソード満載。

内容説明

人類誕生、いや動物が歯を持って以来、歯の悩みは常につきまとってきた。恐竜の歯化石には歯周病の跡があり、洞窟人の歯は髄が出るほどすり減っていた。古代、虫歯は悪魔や虫が原因とされた。中世、旅回り詐欺師が街の広場の歯抜きショーで客を集め、怪しい民間療法が横行した。歯抜きは理髪や瀉血と共に床屋外科の仕事だった。近世にも患者は麻酔なしで床に寝て施術を受け、歯の治療は相変わらず「血と痛み」の世界だった。その後、麻酔やレントゲン、治療用椅子などの進歩があり、今日の歯医者は治療・美容両面の仕事になった。恐怖と嫌悪で語られる「歯治療の世界」を、患者の視点からエピソードたっぷりに綴った“笑える歯痛の世界史”。

目次

1 悪魔?虫?体液?―古代世界の歯痛
2 旅回りの歯抜き屋から床屋外科まで―中世の荒療治
3 治療への気運―ヨーロッパ歯学のあけぼの
4 植民地アメリカの歯の事情―独立戦争との意外な関係
5 痛くない治療を求めて―笑気ガスとエーテル
6 泥棒男爵と改革者―歯医者が専門職に
7 苦痛で恥ずかしいが、ありがたい―入れ歯の五〇〇年史
8 進歩と受難者―麻薬・水銀・X線
9 新世紀の歯科医療―フッ素・椅子・歯磨き道具
10 一〇〇万ドルのほほえみ―ハリウッド映画と口のイメージ

著者等紹介

ウィンブラント,ジェイムズ[ウィンブラント,ジェイムズ] [Wynbrandt,James]
ニューヨーク在住のジャーナリスト

忠平美幸[タダヒラミユキ]
1962年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。図書館司書を経て翻訳業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

79
読み終わって今の時代に生まれてつくづくよかったと思った。古代から中世ヨーロッパ、アメリカ開拓時代から20世紀前半頃までの歯痛に関して治療、施術、麻酔他といった視点から書かれている。経験した人なら歯の痛みはどうにもならない。もうどうなってもいいからなんとかしてくれと思う。その痛みはずっと大昔からあった。ただその治し方は身震いするようなものばかり・・・瀉血、麻酔無しで引っこ抜く、ヒルによる吸い出し、歯のまわりの歯肉をすっかりとる、穴のあいたところへ様々なものの充填。その充填されるものも驚愕のものばかり・・・2017/07/07

hnzwd

20
誰もがお世話になったことがある歯医者とその治療の歴史をまとめた一冊。医学もそうですがトライ&エラーの積み重ねで築き上げられている学問は技術革新でガラッと対応が変わるのが面白い。旅回りの詐欺師がサクラを使って抜歯ショーを行ってたって話は良い。騙されたサクラじゃない患者の呻き声を歓声で誤魔化したとか、抜いた後、状態が良くならずに文句をつけようとする頃にはもう居なくなってるあたりも完璧。2024/02/09

くさてる

19
痛い痛い痛い。読んでると、自分の歯までなんだかむずむずしてくるような、歯痛の歴史です。昔から人類は歯痛に悩み、様々な治療法に挑んできたということが良く分かります。その多くは現代から見れば「無理」な不潔さや乱暴さに彩られているのですが、現代の治療もまた未来から見ればそうなんだろうな……。そして歯医者の歴史が詐欺師の歴史とすれすれというか交差しているのも興味深かった。エピソードが多く読みやすかったです。2021/05/09

itokake

14
人類史を歯痛から外観する。瀉血というエセ医療が2200年も続いたように、人類は長い間迷信の中にいたことが歯の歴史からもわかる。プリニウスが書いたような民間療法(殺された男性の歯で患部をひっかく)が効かないなら、抜歯するしかなかった。歯痛から解放されるために、さらなる痛みに耐える。中世は巡回歯抜き屋が抜歯ショーを展開。抜歯の悲鳴は観衆の歓声がかきけした…。18世紀、笑気ガスで麻酔が始まり、ようやく痛みから解放される糸口が見えた。だが安全に誰もが歯科医療を受けられるようになったのはつい最近。2024/04/02

CCC

12
昔に生まれてみたいという気持ちなど、一息でふっ飛ばしそうな一冊。鎮痛に阿片やアルコールを使うのはまだやさしい方で、ヒルを使ったり、瀉血したり、あとなぜかヒ素を使いたがるのが多かった気がする。半分くらい殺しにかかってきてる。入れ歯の話も多かった。近代以降の欧米に話が偏っているのは残念だが、仕方がないか。2017/06/25

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