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岩波文庫
国語学原論 続篇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 308,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003815038
  • NDC分類 810.1
  • Cコード C0181

内容説明

本書は『国語学原論』正篇(一九四一年)の後を継いでその発展的な諸問題を扱う。“言語過程説”の立場から、言語を人間生活全体の中で捉え、それとの交渉連関において考えようとした、新たな国語学の設計図とも言うべき書。

目次

第1篇 総論(『国語学原論正篇』の概要と『続篇』への発展;言語過程説の基本的な考え方;言語過程説における言語研究の方法)
第2篇 各論(言語による思想の伝達;言語の機能;言語と文学;言語と生活;言語と社会及び言語の社会性;言語史を形成するもの)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅん

17
「文学は言語である」の断言が鋭い。ソシュール周辺の言語学はデュルケームの社会学の流れにあり、社会が言語に与える影響は語るが、言語が社会に与える影響を語らないのは片手落ちであると批判する。相互交流は時枝言語学のポイントであり、主体性と客観性、現在と歴史、言語と文学がすべて相互に影響を与えあう状態を措定する様は、学問的興味を超えて、人間を正確に観察するための見方を読むものに教えてくれる。アカデミックな筆致の正篇より、総論的に語る続篇の方が読みやすいから、こちらから入るのもひとつの手かもしれない。2018/01/30

NICK

2
相変わらずのソシュール批判。だがそれも故のないことではない。時枝がいうには、ソシュールのいう「ラング」は観察的立場から考えられた理念的なものでしかない。つまり、言語が話され、書かれ、聞かれ、読まれている「実際の行為」を捉えることが出来ていない。言語は実際に伝達されている。その事実に立脚し、理論と実践の合致する日本語の学を時枝は打ち立てようとした。話し手ー聞き手といった主体を軸にしたコミュニケーションを第一に考えるその思想は、あるいは現在にも通じるものがあるか。正編のまとめ、応用といった感じで、飲み込みやす2012/03/28

はわわ二等兵

1
せんせー。つまり、ヴィトゲンシュタインとかはウンコなんですね。2013/10/29

mstr_kk

1
かなり独立性が高いので(正篇の要約も載せてくれている)、これだけ読んでも面白いかも知れない。文学や社会性の話が多かったので、個人的には最も興味深かった。重要な参照項になってくれると思う、が、「社会性」の捉え方がヌルすぎるという不満もある。要するに他人と関われば「社会」だよ、というのは、現代では通用しない前提だろう。2013/06/04

山がち

0
一応正篇を読んでから読んだけれども、相変わらずわからないというような感じである。自分の中にかなりいい加減なソシュールへの理解と、時枝先生の理解とがやっぱりかみ合わないのが辛い。連歌の水無瀬三吟百韻なども引いて、言葉と言葉、あるいは会話と会話の対立の仕方のようなものを説いているのは個人的には印象に残った。連歌の付け句がある種の、一般的な会話の転換のようなものとアナロジーである、少なくともそのような印象を受けたのはなんとも面白かった。高度な機知というイメージがあった連歌が、少々身近なものに感じられた気がする。2013/08/12

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