内容説明
言語を主体を離れた客体的存在であるとする「言語実体観」や、言語を音声と意味の結合であるとする「構成主義的言語観」を真っ向から批判。言語はあくまでも主体的な活動それ自体であるとする「言語過程説」に立ってなされた問題提起の書。
目次
第2篇 各論(文法論〔承前〕;意味論;敬語論;国語美論)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へんかんへん
4
本居春庭2017/03/09
feodor
3
下巻では、メインとなってくるのが敬語論と意味論。敬語は、敬意の方向を図示しているのが印象的だが、確かに「敬意をあらわす」と言っても尊敬語とか謙譲語自体は、話者が上下関係を認識しているだけであって、別に話者から聞き手への敬意ではないのだ、というのはよくわかる。意味論のほうでは、どこの国でも「皮肉な表現」とかはあるのだろうが、それに加えて日本では掛詞などの修辞法などもあったりして、言葉=記号が対応する意味、というものが一定とは限らない、ということがなかなか説明を難しくしている。 2013/05/01
yutaro sata
2
上巻に同じ。2022/04/24
肉欲棒太郎
2
敬語論が面白い。敬語とは一般的に考えられているような尊敬・謙譲の美的表現などではなく、話し手が或る人物に対して上下尊卑をどのように認識しているかを表す表現である。だから、「話しくさる」とか「見ていやがる」等の“汚い”言葉も、正しく目下の人間に対して使われているのであれば、これもまた「敬語」であるという。2018/12/30
mstr_kk
2
大事なところでは「主体的なものとして捉えるべき」という印籠が出てくるのが分かってしまっているので、物足りなさも下巻ではやや感じたが、これは贅沢というものだろう。こんな理論を構築し、しかも分かりやすく古びない言葉で書き記した時枝には驚嘆。今後、さまざまな分野に応用してゆきたい。2013/06/03
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