内容説明
「アウトサイダー・アート」とは、精神病患者や幻視家など、正規の美術教育を受けていない独学自修の作り手たちによる作品を指す。20世紀初頭にヨーロッパの精神科医たちによって「発見」されたこの芸術は、パウル・クレー、マックス・エルンスト等の前衛芸術家たちにも多大な影響を与えた。戦後には、フランスの画家ジャン・デュビュッフェがヨーロッパ各地から作品を収集し、それを「アール・ブリュット(生の芸術)」と呼んで賞賛したことから「価値」が高まった。近年、日本でもそれらの作品への関心が急速に高まりつつある中、モダン・アートが置き忘れてきた「もうひとつのアート」の魅力に迫る。
目次
第1章 アウトサイダー・アートとは何か
第2章 ヨーロッパ前衛芸術家たちによる賞賛
第3章 アウトサイダー・アートの「発見」
第4章 日本のアウトサイダー・アート
第5章 未知の領域
第6章 描かずにはいられないから描く―五つの展示室から
著者等紹介
服部正[ハットリタダシ]
1967年兵庫県生まれ。兵庫県立美術館学芸員。大阪大学大学院文学研究科西洋美術史学専攻修士課程修了
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