出版社内容情報
「未来に於ける私の最高の栄誉」となる作品とバルザックが自負した『艶笑滑稽譚』.社会・風俗への諷刺をこめた,エロティックで大らかな笑いの世界は,文豪の隠れた名作として愛されてきた.ヨーロッパ伝統の滑稽話の形式とラブレー等の語彙を借りた原文の古めかしい味わいを,流麗な日本語に移し替える.図版多数.(全3冊)
内容説明
「未来に於ける私の最高の栄誉」となる作品と、バルザックが自負した『艶笑滑稽譚』。社会・風俗への諷刺をきかせたエロティックで大らかな笑いの世界は、文豪の隠れた名作として愛されてきた。ヨーロッパ伝統の滑稽話の形式とラブレー等の語彙を借りた原文の古風な味わいを、流麗な日本語に移し替える。図版多数。全3冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
20
1832年初出。お節介が過ぎるほどのルビは小さい子供向けなのか? Ⅱ代官殿、妻の処女(おとめ)と交える大奮闘の次第(93頁~)。章末注52によると、処女とはpucelaige処女性が換喩(メトニミー)として膜の意がある(155頁)。ハラスメント失礼しました。他の箇所でも散見された。聖ジュヌー様の日に当れば痛風病みに、などの妻のはぐらかしに掛った(93頁~)。注54によると、その日は1月17日で聖ジュヌーはカオールの初代司教(?)の模様(155頁)。2015/01/03
ラウリスタ~
10
うわぁ、なんか残念。こういう本そんな好きじゃないな。あのバルザックがこんなハレンチな本を書いていた!って感じで売り出したいんだろうが、残念ながら、面白くない。こんなんをあと二冊も出すんでしょ。いやだな、岩波迷走してるよ。当時の貞淑な淑女たちにとってはげらげら笑えるものかもしれないが、現代の日本人からすると、低劣極まりない割には、相当量の知識がないと読めないっていうどうしようもない本。もちろんここで使われているフランス語にはラブレー的な意味で面白みがあるだろうが、それを楽しむような人はフランス語で読める。2012/12/06
Monsieur M.
6
もともとバルザックは好きなのだけれど、この作品のことは知らなかった。「「未来に於ける私の最高の栄誉」となる作品と、バルザックが自負した」との触れ込みに、「おお、それはすごい。これはぜひとも読まねば」と、2012年11月(!)から順次刊行された全3巻を、積読することはや数年……。ようやくその第1巻を手に取り、読んでみた次第。「原文の古風な味わいを、流麗な日本語に移し替える」とあるのだが、擬古文的なフランス語を擬古文的に訳しているらしく、正直、読みやすくはない。「ヨーロッパ伝統の滑稽話の形式」というものも、2019/08/31
amanon
5
タイトルが無駄に画数が多い漢字で占められているので(笑)、読む前は若干身構えたのだけれど、いざ読み出したら、タイトルに偽りなしの、エロティックな要素が濃厚な滑稽話を集めたもので、さくさく読めた。他のレビューにもあるように、かなりお下劣で低俗な内容が格調高い文体で綴られているのが、本作の肝か?とにかく「この当時はこんなきわどい表現が許されていたのか?!」と驚かされる表現がかなり見受けられる。また、カトリック信者としては、いわゆる聖職者の御乱交場面がかなり見られるのが気になる。禁書とかにならなかったのか?2014/05/17
rinakko
4
えげつなくて何度も吹き出した。唖然としたのは、「ルイ十一世陛下のご遊学……」。2013/04/06