出版社内容情報
インチキ野郎は大嫌い! おとなの儀礼的な処世術やまやかしに反発し、虚栄と悪の華に飾られた巨大な人工都市ニューヨークの街を、たったひとりでさまよいつづける16歳の少年の目に映じたものは何か? 病める高度文明社会への辛辣な批判を秘めて若い世代の共感を呼ぶ永遠のベストセラー。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zero1
277
村上訳もあるが、私は野崎訳が好き。 最初のページで両者の違いは明白。 ホールデン少年は高校を追い出されて放浪する。 同じ学校にいた連中を辛辣に言い、多くのインチキを指摘。 高校生の時って、見えるものの多くがインチキに見えなかった? 高校こそ追い出されなかったけど、私はそうだった。 でも、自分もそのインチキの中に含まれているという矛盾。 この作品、米国では学校図書館に置きたくない資料のひとつだという。 反社会的とか犯罪者が持っていたということらしい。 米国の社会は不自由なのだろうか?2018/10/19
小梅
250
タイトルは知っていたが初読み。若者の数日間の行動と心の声が綴られてる作品。読んでいるうちに、彼の言葉のリズムが心地よくなってくる不思議魅力がありますね。2015/10/03
ハッシー
245
『世の中の何もかもいや』▼「これはどんな小説だ?」って聞かれたら、「ジョン・レノンを殺した犯人の愛読書だよ」って答えるね。そしたら気違いみたいな目で僕を見るんだ。そんなやつはだいたい大卒のインチキ野郎だね。そんな低脳野郎に例えばさ、本の内容を聞けば自分の人生について語り出すんだ。本の話なんて50年かかったって出て来やしない。下司野郎は自分がどれだけ優秀な人間か喋りたいだけなんだよ。全く反吐がでるよ。でも本当にいい本だよ。もし作者が僕の親友ならすぐに電話をかけたいぐらいにね。2016/09/08
33 kouch
244
極めて冷静に一人称でグチを吐き続ける。一方で行動は情熱的なのがいい。身内にはちょっとばかし優しいのもいい。大胆不敵に振る舞おうとして小心なのもいい。 10代に是非読むべき、なんて云われる傑作だがどの世代にも通じる人の相反する情動が描かれている。だから面白く読めた。この相反の不一致がなくなったときそれを「大人」と言い、そしてつまんない人間になったと言われるのだろうか。 「話に出て来た連中がここにいないのが寂しい」という締めくくり。結局は皆好きだったのね、とわかる温かい終わり方。2023/02/12
テンちゃん
216
16歳の少年(⊙.⊙)ホールデン!⇨『何が正しいのか?』(`ロ´)『何が悪いのか?』⇨『病んでいる社会!』(`ロ´)『インチキな者ばかり目に映っては社会を非難する!』⇨『世の中のインチキが受け入れられない!』⇨ニューユークの放浪の旅!(`ロ´)大人たちへの嫌悪感!(`ロ´)社会を見下す!⇨大人社会を迎える前の通過点(﹡ˆ﹀ˆ﹡)反感を持ちながら大人との繋がりを手探っている!⇨『ライ麦畑でつかまえて』(﹡ˆ﹀ˆ﹡)『自分自身を見つける為の道にゴールはない!』青春小説!悩める少年!傑作作品。☆(⌒_⌒)4.62015/12/03