出版社内容情報
資本主義の勃興とプロテスタンティズムの関係は,マックス・ウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」が発表されて以来の大きな論争課題であった.本書はこの論争史上における記念碑的著作であり,トーニー(1880‐1962)はウェーバーの一面性を指摘しながら,近代資本主義の発展と新教倫理の変遷との関連を追求する.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hiroshi
4
下巻は、③英国教会、④清教運動、⑤むすび、からなる。③英国では15世紀中頃より第1次囲込が始まり、16世紀には地理上の発見から貿易と金融が発達した。それと共に宗教改革が行われた。宗教改革は王が離婚したいためにバチカンから離れたもの。だから中世の考え方と変わらない。キリスト教国では暴利・利子は禁止だ。囲込は所有権の絶対を主張するもの。新たな考え方だ。封建体制の所有権には用役権が沢山付いており、所有者には多くの義務があった。ロックの社会契約説と国家の存在意義の理論により国家は個人の所有権を守るのが義務となる。2024/05/11
7ember
1
全体像は上巻で提示されていた。下巻は、ウェーバーの議論を多少なりとも耳に挟んだことのある読者にとっては、それほど真新しい話ではなさそうなので、本当に専門的に読むという人以外は巻末の訳者あとがきを目指して読む感じになるのではと思う。60年くらい前の訳業だけど、訳者あとがきを含め違和感なく読める。京大英国面すごい。2021/03/09