出版社内容情報
世界史上最初のプロレタリア権力の出現である1871年のパリ・コミューンは,果敢な闘争ののち,ついに悲惨な終結をみなければならなかった.その直後,国際労働者協会の中心的指導者として活躍したマルクスが,これに綿密な分析を加え,力強くその歴史的意義を弁護したのが本書である.特にプロレタリア革命と国家の理論は重要.
内容説明
パリ・コミューン崩壊の直後に発表されたインターナショナルの第三宣言。先行する二つの「宣言」と、エンゲルスの序文を付す。
目次
国際労働者協会総務委員会の戦争に関する宣言
国際労働者協会総務委員会の宣言(フランスの内乱)
ドイツ版「内乱」第三版に対するエンゲルスの序文
エンゲルスの序文の若干の点について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中島直人
8
教養として読んどこうと思って取り組んでみたが、はっきり言って苦行、かなりの。マルクスさんのティエールさんへの罵詈雑言ひたすら。きつかった…2016/01/25
Z
7
パリコミューンの崩壊をめぐるルポ。事実に関しては歪みがある。考察を取り出すと、国家がブルジョアジーの支配の道具たること、三権分立など偽りで、権力がプロレタリア議会に一つに集中した制度を賛美したのは、法律が資本の制度にそった仕組みでつくられていること、ゴータ綱領批判での民法にはお金が掛かるが刑法にはお金がいらないとの認識や法哲学関係との知見、また後のソ連の支配の仕組み等と結びつけると興味深い。マルクスの反資本性より反国家の見方が強力ではないか。経済学に本気で取り組みだした切っ掛けが気になった。 2017/05/14
しんすけ
5
マルクスが書いたルポルタージュ的作品。マルクスには、他に『ブリュメール十八日』という同様の作品があり、こちらのほうが有名だが、個人的には『フランスの内乱』ほうが好きだ。何故なら、パリコミューンはなぜ失敗したかを、冷静に分析しているからである。 世に役立たないものの代表として成功談があるが、逆に失敗談は技術革新的な意味でも意義がある。「人の振り見て我が振り直せ」というが、自分も人と同じ失敗の道を歩いていることに気づくことが何事においても重要なのだ。2017/01/15
それん君
4
フランスの内乱はパリコミューンの内情を描いた作品。一番びっくりしたのはマルクスの「プロレタリア独裁」とレーニンの「プロレタリア独裁」に大きな違いがあること。共産主義の独裁について考える時に結構重要な本だと思う。2020/05/07
さとまみ読書垢2(小説・その他専用)
2
ノート。