出版社内容情報
古代ローマの哲学者政治家キケロー(前106―前43)が人生を語り,老年を謳い上げる.古代ローマの政治家・文人大カトーが文武に秀でた二人の若者に自らの到達した境地から老いと死と生について語るという形の対話篇.新訳.
内容説明
古代ローマの政治家・文人大カトーが文武に秀でた二人の若者を自宅に招き自らの到達した境地から老いと死と生について語る、という形をとった対話篇。古代ローマの哲学者・政治家キケロー(前一〇六‐前四三)が人生を語り、老年を謳い上げる。新訳。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
120
古代ローマの政治家のキケロが、やはりローマの年老いたカトーと比較的若いスキーピオ、ラエリウスとの対話で「老年」についてしるしています。最近結構ちまたで売られているこのような種類の本とは異なって哲学的な意味合いもしますが、非常にわかりやすい感じがしました。100ページにも満たない小冊子ですが、老年になっての「死」という観念に対しての一つの回答が示されているのではないでしょうか?解説もいいと思いました。2024/03/05
ehirano1
100
年末、というか、1年を終えるおいて中老の私には大変素晴らしい読書となりました。キケロのように思える/捉えるようになりたいと本気で思いました。そしてそれはまだ十分間に合うということも分かりました。2023/12/31
keroppi
75
私もこの歳になると、「老年」というものを意識してしまう。この本では、老年が惨めと思われる理由として四つ挙げている。「老年は公の活動から遠ざけるから」「老年は肉体を弱くするから」「老年はほとんど全ての快楽を奪い去るから」「老年は死から遠く離れていないから」。これを若者に語る老齢の大カトーは、それぞれに反論を展開する。紀元前に書かれた本ながら、今にも通じるテーマである。ある意味気の持ちようと言えなくもないが、充実した老年を送りたいものだ。そして、「老年」を語りながら、若者たちに生きることの大切さを訴えている。2022/05/23
ビイーン
37
「老人の貪欲さに至っては、何を欲しておるのか理解に苦しむな。人生も残り少なになるほどますます多くの路費を求める、これほど馬鹿げたことがあろうか。」この一節は、なに故か目につく。2022/06/26
lily
31
老年は、軽くあれ。心も身体も。葡萄作りに歓びを感じるように愛も熟成させたいね。血管年齢は若くいよう。老年も怖くないよ。まだまだ人ごとだけど、また読もう。2019/06/20