出版社内容情報
漱石生誕150年、近藤浩一路のユーモアあふれる漫画と、各画に添えられた滑稽味ある達意の文で、文豪の名作を楽しむ。
内容説明
「吾輩は猫である。…」。猫の眼から描かれた、苦沙弥先生をはじめとする人間たちの織りなす珍談・奇談の数々。諷刺とユーモアに溢れた物語は、今なお痛快な笑いを誘う。近代文学の古典を、近藤浩一路の面と文で味わう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
143
先日は「坊っちゃん」の漫画が出て読んだのですがこれは「吾輩は猫である」です。左ページに漫画が書いてあり、右ページにその解説のような漱石の文章をまとめたものが掲載されています。本当の作品よりも短くなっていますが非常に楽しめます。とくに漫画は見ているだけで楽しく、最近のコミックに慣れている身には何かなつかしく思われます。最後に付録として久保田万太郎、芥川龍之介、菊池寛の随想が掲載されています。楽しめました。2017/03/15
アン・シャーリーこと寺
58
うん。面白い。漱石『吾輩は猫である』の漫画漫文。先月出た『漫画 坊っちゃん』同様である。しかしこちらの方が文章が多い。解説で夏目房之介が言う様に「ディスカッション小説」であるから仕方ない。原作は昔、途中で挫折し『まんがで読破』シリーズの1冊を読んだが、記憶に無い。こちらでしっかりと記憶に刻まれた感じ。とりとめもない人間のくだらない世界を猫の目で呆れるストーリーの無い話。しかし愛すべき話である。読む為に読む様な話である。この漫画も枕頭の1冊に相応しい。黒猫ではなく白猫になっている。これが案外可愛いのだ。2017/02/22
キジネコ
56
芥川龍之介曰く「正道は日本画家」だそーで南画の趣の中にも肉の匂いがする…と。時事新報社で二三か月同僚であった菊池寛は「傑作」と賛辞し、久保田万太郎は俳人柿腸こと近藤浩一路の思い出を随想に残しています。夏目漱石の「吾輩は…」の翻案だと思ってくれろ、との事です。短く編集した文章に題名を付して左ページに絵を配します。読みやすく面白く、原本を読まなくても不都合はないかも知れないと思うけど原本未読の読者は、違いを楽しめないので少し悔しくなります。漱石先生の夢の顛末、甕の中で溺れて目が覚めた態であれば…と納得したい。2020/01/02
yk
6
これめちゃめちゃ読みやすくておもしろかった。もともとの吾輩は猫であるもむかーし読んだけど、こんなわかりやすくなかったなw 文章も著者が短く編集しているみたいだけど、絵といい感じにあっててもうおもしろくって!これはめちゃめちゃおすすめですね!2020/03/06
亮さん
6
よく書かれていた。私もスピンオフで吾輩は人であるという作品を作ったので気になった方は是非よでいただきたい。ほの現今用紙2、3枚の短編である。2017/08/03