内容説明
中国史上初めて非漢族による統一王朝を実現した元。亡国の憂き目にあった金の元好問、南宋の文天祥らは激しい抵抗の詩を詠んだ。続く元・明の太平の世は、古文辞派・公安派等の文学革新運動を生み、詩は広く市民の共有物となる。南宋滅亡から清誕生まで四百年、漢詩の継承と発展の跡を活写する。
目次
第1章 十三世紀前半―金の亡国による抵抗の詩
第2章 十三世紀後半―南宋の亡国による抵抗の詩
第3章 十四世紀前半―元詩の成熟
第4章 十四世紀後半 明の初期
第5章 十五世紀 明の中期の一 空虚と復活
第6章 十六世紀 明の中期の二―古文辞の時代
第7章 十七世紀前半 明の末期
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
G.Brothers
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著名人物が王陽明の弟子で当時異端であったが、男女平等論を説いた李卓吾だけと言うかなりな専門書だ。僕の思い出を交えた感想を一筆入魂。李卓吾は通称李贄と言うがこの人の文章がでたテストで0点を取った苦い記憶がある。世界史の知識を総動員して解いたテストは自己採点だが陽明学の異端の前に挫折。センター国語はハットトリックさせたがる高度なテストだったよ。もう一人人物を挙げたい元の色目人の詩人薩都刺だ、ルーツは楊貴妃頃の安禄山に近い。中国文化圏の枠の中で周囲、周縁を担ぐエキゾチックな詩人だ。以上。2018/05/30