出版社内容情報
オブローモフは優しい純真な魂と非凡な才能をもっているが,実際的意力の欠けた青年で遊惰と無為の中に空しい日を送る.熱情的な少女オリガの純な愛に対してさえ,能動的な反応を示すことができぬほど行動の能力を封鎖されている.ロシア文学における無用者の典型をみごとに描ききったゴンチャロフ(1812‐1891)の代表作.
内容説明
病から癒えたオブローモフは、奸計によってあやうく経済的危機に追い込まれるところを、親友のシュトルツに救われた。…そしてついに、オブローモフは「潔白で真実な心」をそこなうことなく、「無用者」「余計者」として、静かに息を引き取るのだった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
96
ロシア文学、それも150年前の作品をこんなに一気に読んでしまえるとは。今後の敷居が低くなったように感じる。さて、オズローモフは彼の親友が言っていたように、犬死だったのだろうか。確かに彼のために力を尽くした親友からすれば、せっかくの努力も泡となってしまったのだから悔しいだろう。しかし、オズローモフは好きに生きたのだ。誰もだまさず、卑しい駆け引きもせず、子供のような大人として。彼は、難しいことを言わないムィシュキンとは言えまいか。彼の方が本当に白痴に近い(愚か=idiotであるということ)のかもしれないが。2015/12/12
みつ
28
下巻まで一挙に読了。前回読んだのは学生時代で、無為に、しかし純真に生きたオブローモフに対し、こうなってはいけないと思いつつ親近感を覚えていた。43年間の職場生活を終えて改めて読み終えた今回は、こういう人生しか送れなかった彼にひどく寂しい気持ちを覚える。シュトルツの援助によって生活を持ち直したものの、全く違った形でその後の人生を送ることに。何もしないゆえの不摂生のもたらした結果は、やはり残酷なものになってしまう。終わりにザハールがもう一度登場し、本人たちは真剣でもユーモラスに映るかつてのやりとりがまた甦る。2024/12/01
秋良
20
【G1000】オリガは「どしたん、話聞こか?」と言われシュトルツと結婚し、騙されて毟られていたオブローモフはシュトルツの助けで生活を持ち直す。オリガのパートでは思想的に高い水準の生活を保つしんどさが描かれるが、そこは掘り下げられず。オブローモフのパートでは自分を甘やかしたものの末路が描かれる。こう書くと怠惰で救いようのない人物に見えるし実際そうなんだけど(笑)でも憎めないのは底抜けの善良さと、甘やかされた者特有の大らかさがあるからだと思う。馬鹿にされるけど愛されもする、こういうおじさん今もいそう。2026/01/15
H2A
14
オリガと別れ、無為の生活に戻るイリヤー・イリッチ。卑劣な連中に嵌められ困窮に陥るがそれを懸命に支えるアガーフィヤと結ばれ、窮状はシュトルツによって救済される。シュトルツはオリガと結婚し知的な関係を維持する。そしてイリヤー・イリッチはアガーフィヤと子を作り安寧の中で息を引き取る。あのザハールは風采の上がらない召使いだがある意味主人に対して筋を通して好感の持てる人物で印象的。登場人物たちはみな素晴らしい(好ましいばかりではないが)し、全体に素晴らしい小説だと思った。オブローモフシチナ万歳。2025/11/30
Tomoko.H
11
オリガって、結構厳しいなあ。彼女と付き合うのはやっぱりがんばりやさんのシュトルツが相応しい。シュトルツの友情に足る善良さを持ち合わせていたにもかかわらず、『つまらない犬死に』。哀れなるかな、オブローモフシチナ!自分の靴下も自分で履かない幼少期から運命付けられていたのか。でも小アンドレイと、アガーフィヤの人生には意味をもたせたよ。2017/06/25
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- 和書
- 悪霊 〈上〉 岩波文庫




