内容説明
フェルメールの贋作を露見させたコバルト・ブルー、パンクの同義語になった蛍光ピンク、軍事戦略を変えたカーキ、多様性にともない色域の幅を広げたヌード・カラー…。本書は、アートやファッション、流行色などの文化史から、化学や政治的なトピックまで幅広く取り上げ、欧米でベストセラーとなり、20言語で翻訳された色彩エッセイです。待望の日本語版は、豊富な図版を加えた特別編集で、より読みやすくなっています。
目次
色の見え方―どのように見るのか
簡単な計算―光について
パレットを組み立てる―絵師と顔料
色を定義する―色のマッピング
色の愛好と色の嫌悪―色彩の政治学
カラフルな言葉―はたして言葉は、私たちの見る色をかたちづくるのか?
White
Yellow
Orange
Pink
Red
Purple
Blue
Green
Brown
Black
本文中に紹介しきれなかった興味深い色名の追加リスト
著者等紹介
セントクレア,カシア[セントクレア,カシア] [St Clair,Kassia]
作家、エッセイスト。『エコノミスト』誌「著書と芸術」部門の元編集アシスタント。ファッションやインテリア雑誌で色彩関連の連載を持ち、欧米のさまざまな美術館で講演を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
75
色に関して、75色を取り上げそれぞれについてその顔料の成り立ちや使われてきた歴史を様々な図版と共に論じていく。ここに挙げられている色では馴染みのものもあれば、初めて知ったようなものもある。それにしても色ごとにこんな歴史があったとは実に面白い。いやいや、ヌード(肌色)という色の人種差別的な意味合いや、ミイラという茶系の色がミイラから顔料を作っていたということを知ると、面白いだけでは済まされない。これから色を見るときの目線も変わってきそうだ。2023/12/05
takakomama
6
色の系統ごとに代表的な75色の解説。それぞれの色に地域の歴史や文化によるイメージと、その移り変わりがあります。高価な顔料を使った衣服は権力の象徴になります。有害な顔料は怖いです。『緋文字』『赤と黒』など、文学作品に登場する色にも注目したいです。2024/05/26
nem-nem
4
これはもう労作のひとこと。世の中に数多ある色の出自と今日までの特筆すべきエピソードや使用されている芸術作品の紹介などをコンパクトにまとめた本だから。中にはびっくりするような時代がかったエピソードもあり、昔の人の顔料を作り出す苦労が忍ばれる。それでもこれはごく一部の色ということ(たったの75色)で、選にもれた色の名前も載せてありこちらも面白い。色のなまえもユニークなものが多々あって、興味深く読めた。2024/05/17
kaz
1
75色の由来や意味、影響や変遷などを、興味深いエピソードや事実を交えて説明。色彩は、アートやファッションだけでなく、科学や政治、宗教や社会など、人類の歴史や文化に深く関わっている。図書館の内容紹介は『フェルメールの贋作を露見させたコバルト・ブルー、パンクの同義語になった蛍光ピンク、軍事戦略を変えたカーキ…。アートやファッション、流行色などの文化史から、化学や政治的なトピックまで幅広く取り上げた色彩エッセイ』。 2023/12/09
めーちゃん
1
開いたページが美しい2023/12/08