出版社内容情報
ケーベル博士が詩情にみちた愛すべき佳品として推奨した「大理石像」と,フランス革命の動乱期に取材した「デュランデ城悲歌」の2短篇を収める.前者は,官能的な誘惑をしりぞけて,ついに初恋の乙女と幸福に結ばれる青年詩人の恋物語.後者は,想いを胸底深く秘めた男装の美女が,自らすすんで愛する者のために身をなげうつ悲恋物語.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きりぱい
5
「さあ、愛する妻よ」って、そこでやっと。誰も悪気がなかったのに悲劇の結末。報われない恋の代償というにはあまりに切ない。デュランデ城悲歌。2016/04/05
麦茶
1
ドイツ文学はあまり読んだことがないのだが、今回について言えば出来事の独特な切り貼りや緻密な風景描写によって美しく幻想的な雰囲気があった。キリスト教的な教訓で閉じられるのも印象的だ。2020/04/15
qoop
1
一種牧歌的にさえ思える〈大理石像〉(設定や筋立てがメリメ〈ヴィーナスの殺人〉と似通っているため、特にその差異が際立って読めた)、スペクタクルなラストを静謐な雰囲気の中で読ませる〈デュランデ城悲歌〉。幻想味を帯びつつ厭世的でないこの二作を読むと、健全な浪漫派詩人というとなんだか形容矛盾にも感じられる著者評が浮かんだ。なので、訳者の〈生来のノーブルな資質にカトリック的敬虔が加わった彼の高雅な人柄〉という解説には大いに頷ける。2014/09/17
朝吹龍一朗
1
ちょっと古いロマンス。若い女性が9種類の花を使って作った花環をして眠ると未来の花婿を夢に見ることができるとのこと。独身女性の方にお勧めしましょう。2010/03/06
Chunko
0
タイトルにつられて借りた。もっと絢爛たるロマンスを想像してたから、ちょっと期待はずれではあったけど。1993/03/17