出版社内容情報
南北戦争前夜に花ひらいたいわゆるアメリカ・ルネッサンスを代表する思想家エマソン(一八〇三‐八二)の作品15篇を精選.上巻には初期の鮮烈なロマンティシズムを伝える代表作「自然」等7篇を収め,下巻には「超越論者」をはじめ『エッセイ集』(一・二)等からの5篇の論文に講演記録3篇を収録し,その思想的軌跡を明らかにする.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
lily
96
あらゆる美に円運動を感じる私にとってエマソンの円の考察は強く共感した。自然を愛でるソローについても愛着が増すばかり。エマソンにとっての人間性の光はホメロス、チョーサー、スペンサー、シェイクスピア、ミルトン。光輝からの好奇心によって波動が拡がる文学連鎖、心地よい。2021/01/11
ロビン
17
上巻同様難解な下巻は、「大霊」「円」「詩人」「自然」「運命」「超越論者」「逃亡奴隷法」「ソーロウ」を収録。「天にある者と親しく交わっているかぎり、われわれは老いることなく、むしろ若くなっていく」ーアンデルセンは『ポエジー』と題する詩の中で「そこでは豊かに黄金が得られ それでもって君は世界が獲得でき 心は若返る」と書いているが、人間の中に天の「神」が宿っているとし、自己信頼を説いたこの詩人哲学者の言葉と響き合うように感じる。奴隷制に反対した講演や、狷介な友ソーロウへの愛情と理解に満ちた弔文も心を打つ。2023/05/21
Jack Amano
0
なかなか難しい本です。しかし、上巻では「自己信頼」「償い」「霊の法則」、下巻の「自然」「運命」「逃亡奴隷法」などは面白かった。2017/06/10