出版社内容情報
馬琴の戯作は一生を通じて大小300種余にのぼるが,歴史小説の中で最初に手がけたのがこの弓張月である.本書は,源為朝の数奇な運命をたどる一代の起伏を細叙する.晩年の諸傑作ほどに円熟してはいないが,気魄の強い点ではむしろ後者に優るかと思われる.馬琴はこれを一期の出世作として,爾後永く江戸の読書界に雄をなした.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
syaori
5
「平家物語」や「吾妻鏡」を読んでいるとよく(名前だけ)出てくる鎮西八郎為朝が主人公のお話です。一応「保元物語」などを元にしているようですが、為朝が伝説的な人物なので、この話でも弓を取ったら無双の腕前はいいとして、狼がペットとか設定が盛り盛りで楽しいです。馬琴の出世作のようですが、これは人気が出たでしょう。水滸伝を読んだばかりなので、水滸伝の影響なども感じることができました。古文ですが、江戸時代になると少しは現代語に近くなっているのと、話に勢いがあるのとで、そう苦労せずに読めました。2015/11/18
ミコヤン・グレビッチ
3
平岩弓枝さんの現代語訳(ダイジェスト版)を先に読んでいたこともあり、岩波文庫の原典でもさほど苦労せずに読めた。校訂者の注釈は一切ないが、漢字が総ルビで、たとえば「閑話休題」に「それはさておき」といったように意訳的なルビも多いので意外に読みやすい。残念なのは挿絵がひとつもないことか。超人的な主人公の為朝が、たびたび絶対絶命のピンチに陥りながら、霊的なものに助けられて生き延びるところなどは、ホメロスのオデュッセイアとも似ている。主君への忠義が命より重い時代の話で、すぐに自害したり、承知の(中巻の感想へ続く)2022/08/09
dynabook77
1
僕には古文が難しくて?源為朝くんの弓が凄い‼くらいしか理解出来なかった… 中巻下巻は読むの断念…2018/09/22
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