出版社内容情報
武力の前に、平和主義をうたう日本国憲法は無力なのか? 諦める前に視点を変え考えてみよう。一国の枠内で捉えるのではなく、ごく普通の人びとのローカルなとりくみが憲法理解を更新させ、さらにはグローバルな普遍へとつながる可能性をもつことを。三つの歴史実践から、国際社会の中で日本国憲法を捉える回路を示す。
内容説明
武力の前に、平和主義をうたう日本国圏法は無力なのか?諦める前に視点を変え考えてみよう。一国の枠内で捉えるのではなく、ごく普通の人びとのローカルなとりくみが憲法理解を更新させ、グローバルな普遍へとつながる可能性をもつことを、三つの歴史実践から、国際社会の中で日本国憲法を捉える回路を示す。
目次
はじめに―人びとを分断する歴史/つなぐ文脈
第1章 大阪のオモニ―夜間中学の学びと東アジアの歴史
第2章 岩手のおなご―「戦争」と「女性」を地域から問う
第3章 陸前高田の保育―震災前後の日常を生きる
第4章 世界の片隅で憲法をたぐりよせる―国際社会と日本国憲法
おわりに―憲法と「つなぐ文脈」
著者等紹介
大門正克[オオカドマサカツ]
1953年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。博士(経済学)。現在、早稲田大学特任教授、横浜国立大学名誉教授。専攻、日本近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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manabukimoto
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天王寺中学校に通うオモニ。夜間中学の学びは「人生の意味を考え、尊厳を取り戻す大事な現場になった」。二十六条で明記される「教育を受ける権利」。1960年代後半からの大阪の夜間中学増設運動は「教育権=生存権」との位置付けが、天王寺夜間中学の開設に至ったと、知る。(ただし大阪府は生徒減を理由に天王寺夜間中学の廃止を決定している。現府政は徹底して弱者に厳しい) 憲法の九条は戦力を保持せず、交戦権も認めないとする。岸田は真っ向から反してないか? 日本国憲法を基に、理不尽な世界を良くすることは可能なのでは。2023/07/19