出版社内容情報
中国残留を余儀なくされた日本人兵士の中に人民解放軍に協力し,国共内戦を戦い抜いた人々がいた.中国空軍を創設した将校,砲兵を指揮する大隊長,炭鉱,工場で働く人々……克明な取材で明らかにされた日中交流側面史.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nnpusnsn1945
39
中華人民共和国で留用された日本軍将兵をとりあげている。共産軍は、歩兵しかいなかったので、衛生兵や、航空兵、砲兵を作る必要があった。そこで、敵であったがそうした知識を持つ将兵をスカウトしたのである。難点として、やや共産党を持ち上げすぎている所が多々ある。とはいえ、陸軍航空隊だった林弥一郎少佐の話で、通化事件関与を疑われた者は拘束されたようだ。厳しい環境である炭鉱で働いた者のエピソードもある。このように美化一辺倒ではない。共産党軍の階級や食事情も知れて良い。2021/01/27
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