角川新書<br> 七〇歳の絶望

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角川新書
七〇歳の絶望

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  • サイズ 新書判/ページ数 232p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784040820033
  • NDC分類 104
  • Cコード C0295

出版社内容情報

どれほど豊かな人生でも「死ぬ限り」絶望的である。
中島義道、七〇歳――。
老境を迎えた哲学者の心境とその日々。

二〇一六年七月   私は少しずつ丹念に未来を殺害してきた

二〇一六年八月   「先生、晩年の心境はいかがですか?」

二〇一六年九月   いま急激に「世界観」も「私観」も変わりつつある

二〇一六年十月   私は、ひたすら自分を救うために書いている

二〇一六年十一月  人生のすべての苦しみは「私がいる」と思い込んでいること

二〇一六年十二月  あと何年ここまで歩いて登ってこられるだろうか

二〇一七年一月   私はこういう記念日が嫌いなので、何もしない

二〇一七年二月   過去と未来の絶対的差異性という大きな問題

二〇一七年三月   私は息をしているあいだは希望をもっている

二〇一七年四月   彼らを見渡しながら、過去とは何か、ふたたび考える

二〇一七年五月   じつは誰も真の意味で憎くはなく、恨めしくもないのだ

二〇一七年六月   すべてを「逆の視点」から見直すと見通しがよくなる

二〇一七年七月   「ハッピー、バースディ、トゥー、ユー!」

内容説明

どんなに豊かな人生でも「死ぬ限り」絶望的である。中島義道、七〇歳―。老境を迎えた哲学者の心境とその日々。

目次

二〇一六年七月 私は少しずつ丹念に未来を殺害してきた
二〇一六年八月 「先生、晩年の心境はいかがですか?」
二〇一六年九月 いま急激に「世界観」も「私観」も変わりつつある
二〇一六年十月 私は、ひたすら自分を救うために書いている
二〇一六年十一月 人生のすべての苦しみは「私がいる」と思い込んでいること
二〇一六年十二月 あと何年ここまで歩いて登ってこられるだろうか
二〇一七年一月 私はこういう記念日が嫌いなので、何もしない
二〇一七年二月 過去と未来の絶対的差異性という大きな問題
二〇一七年三月 私は息をしているあいだは希望をもっている
二〇一七年四月 彼らを見渡しながら、過去とは何か、ふたたび考える
二〇一七年五月 じつは誰も真の意味で憎くはなく、恨めしくもないのだ
二〇一七年六月 すべてを「逆の視点」から見直すと見通しがよくなる
二〇一七年七月 「ハッピー、バースディ、トゥー、ユー!」

著者等紹介

中島義道[ナカジマヨシミチ]
1946年生まれ。東京大学教養学部・法学部卒業。同大学院人文科学研究科哲学専攻修士課程修了。ウィーン大学基礎総合学部哲学科修了。哲学博士。専門は時間論、自我論。「哲学塾カント」を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

踊る猫

36
実に絶好調というか、度が過ぎる勤勉さに舌を巻く。日々、せっせと哲学的思索をめぐらせてさまざまな人と会い(過去の著書で開陳していたような「孤独」好きで「人間嫌い」な人には似合わずに)、そして理不尽と見なしたものに喧嘩を売る。なんだかはた迷惑な老人そのもので、まったくもって見習いたい歳の重ね方ではないにせよ彼自身も「わかっていて」「ネタで」こうした危険な哲学病患者の実態を晒しているのだなと思うと、「ちょっと」笑いが込み上げてもくる。この老人を遇するにはそれこそこちらが「生身の」言葉をぶつけるしかないのかと思う2024/12/18

団塊シニア

25
哲学塾の経営、講演、油絵を描いて出品活動、そして音や電気に抗議するときは声を張り上げるという「気晴らし」行動、特に電車内で化粧する女性に怒鳴っての注意と女性とのバトルの場面には70歳とは思えないエネルギーを感じ、70歳の絶望というより70歳の充実がタイトルとしてふさわしいというのが読後の感想である。2018/04/27

踊る猫

24
「絶望」? どこが? 日記として綴られた本書から見えてくるのは常に哲学的な思索を走らせ、勤勉に考え続ける著者の姿である。それはかつてのように自分自身を掘り下げて自虐的になりすぎることもなく、ベクトルは外に向いている。だからこそ拍子抜けするほど読みやすいし、読んだあと暗い気持ちにもならない(という感想は多分著者は喜ばないだろうが)。中島義道はある意味では絶望すること、死を恐れることを「芸」にしてしまったのではないかと思う。そして、読者としてはその「芸」を繰り返す中島義道という個人の滑稽さをも笑うべきだと思う2021/11/18

オランジーナ@

4
普通の日記。義道若干ボケてて心配だ。2021/03/26

Susumu Kobayashi

4
著者によれば「どんなに豊かな人生でも「死ぬ限り」絶望的」だという(p. 3)。そう考えたらおしまいなので、凡人たるぼくは自己満足でよしとする考えを取る。哲学的な部分は理解できないことが多いが、著者の感想、例えば自分の講演会が終わってからのこと――「いつも講演はうまくいくのだが(中略)得体の知れない不満感に充たされる。(中略)あまりにも「手馴れた」姿勢で講演をしてしまう自分に対する嫌悪感があり、次にこんなことしても、じつは一片の真理も伝えたことにはならないというホンネがある」(p. 214)は理解できる。2018/04/08

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