感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんすけ
19
叙事詩として謡われていると気づかないが、活字にすると人間臭さが観えてくる。 神話の人間臭さを改めて感じている。人間が作ったものだと云えばそれまでだが、新約聖書に観られるように時代を経ると人間臭さは減ってしまう。 ワイナミョイネンは爺さんのくせに少女が好きでゲーテやアブラハムを思い起こさせる。 レンミンカイネンは血気盛んで美女を妻にした後も美女を求める。 それが男の本性だとはいえようが、これでは女は浮かばれない。 女の手で書かれた神話があれば、逆転するのだろうか。2022/02/15
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
19
フィンランドの民族叙事詩。上下巻編もあるようだけれど、こちらの1冊にまとまったものから読んでみた。魔法や吟遊詩人、精霊などファンタジー色が強いと感じました。日本で言う古事記のような感じでしょうか?古事記よりも(フィンランドでは)浸透していて、現代にも印象を与えているのだと思います。登場人物や地名も載っていましたので照らし合わせないと頭がこんがらがってしまいました。2020/10/04
のれん
11
北欧と日本では一括りにされているが、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーとはまったく違う文化を持つフィンランド。 個人的には日本で言う日本書紀と平家物語ぐらいをミックスしたようなフィンランド文化の中心作品が今作に当たるように思える。 世界を創世した直系なのにいつの間にか偉大な賢人レベルになるのは北欧神話に似ているが、少々抜けてる老いた詩人、真面目で純な鍛治師、母ちゃんが強いイケメン戦士と中々にバリエーション豊富なキャラが主役をして集合するオムニバス形式には韻だけでない構成力がある叙事詩だと感じる。2021/11/10
おだまん
10
#岩波少年文庫100冊マラソン(5) 少年文庫にカレワラが入っていました。難しめの印象の神話ですが、とても読みやすくて物語の筋を知るにはぴったりかも。もちろんBGMはシベリウスの「レンミンカイネン組曲」と「クレルヴォ交響曲」で。2025/03/20
サアベドラ
5
岩波文庫版の訳者(たぶん原語からの初完訳)による再話。文庫版からの引用が随所に入っていて、完訳の雰囲気を少しだけ味わうことができる。財宝や美女をめぐる争いや仇討ちなど、やってること自体は割りとよくあるネタなのだけど、話のディテールは非常に独特で登場人物もクセモノ揃い。なんというか、形容しがたい不思議な魅力がある神話世界。2012/09/12
-
- 洋書
- MISKATONIC