出版社内容情報
6年生のノア,ナディア,イーサン,ジュリアンは大の仲よし.どうやって4人は親友になったのか,その謎を語るニューベリー賞作品.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ルピナスさん
57
カニング作品の面白さは、子供にだって色々難しいことがある事を、子供から見たら脳天気な大人と対比することで際立たせる点にあると思う。親が離婚したタイミングで祖父が結婚し、クラスメートが親戚になったり、転入した学校でいじめの洗礼に出会ったり。居心地の良い仲間だと互いを認識し合えるまでには、慎重でありつつ、工夫や心を開いて行く自分からの歩み寄りも必要で、そんな一歩一歩をカニング節で楽しめた。鞄に書かれた悪意の「外国人」のいたずらに、「外国生まれの地球人」と書き加え翌日も同じ鞄で登校する場面が一番好き。2022/03/30
たつや
41
博学大会とは学生によるクイズ大会のようなものでしょうか?その大会に出場する仲間はそれぞれに問題がある。成長期の自分探し、存在意義の確認的なテーマを感じとりましたが、違うかな?いろんな受け取り肩が出来そうな気もします。カニグズバーグの他の作品も気になってきました。2017/02/17
april-cat
16
ああ、相変わらずカニグズバーグさんはなんと不思議な読後感の本を書くのか。最初の方はわかりずらくて、何度も挫折しましたが、半分ぐらいからどんどん進まずにはいられない展開に。読み終わってから、最初にもどると、ああ、そうだったんだと思うところが色々でてきます。カニグスバーグさんの作品は読み終わると、主人公たちと別れるのが淋しいような気持ちになります。主人公たちの顔や性格はもちろん、息づかいや匂い、手触りまでわかりそうな気がするのは本当にすごい。私は金原訳と相性が悪いので、わかりにくかったのはそのせいもあるかも。2013/06/27
とぶとり
11
児童書。原本の出版が96年とのことで(日本語訳が2000年)現代的なテーマがふんだんに出てくる。老年結婚に離婚後の子どもの生活、ウミガメの保護、いじめに身障者の社会復帰(ちょっと詰め込みすぎ?)。それらを4人の子どもと1人の先生の視点から暖かく語っていく(「~の謎」というから少年探偵団的な想像をしたが、そちらへの展開は無かった)。のだが、ちょっと冒頭から訳文が読みにくくて、状況の把握に苦労した。どうやら05年に改訳版がでているようで、そちらは読みやすそう。2010/07/07
timeturner
10
おっとびっくり。ひょっとして『僕と1ルピーの神様』はこれが元ネタになってる? それはともかく、子どもたちがそれぞれに語る章をつなげることで、四人の性格やつながりが次第に見えてくるという構成は、とても巧いやり方だなあと思った。最初、最寄りの図書館にある本を読み始めたらわけがわからない訳文だったので、2005年改訳版(表紙に金原瑞人の名前がある)を借り直して読んだ。2015/06/16