歴史を旅する絵本
戦国時代の村の生活―和泉国いりやまだ村の一年

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  • サイズ B4判/ページ数 56p/高さ 24X30cm
  • 商品コード 9784001106442
  • NDC分類 K210
  • Cコード C8721

出版社内容情報

戦国時代,村人は団結をつよめ,他村とも力をあわせて,きびしい自然や戦乱をしたたかに生きぬきました.近畿地方の村に住む主人公の少年の,波瀾の多い1年間の生活を,当時の記録をもとに再現します.

内容説明

この絵本の主人公の少年は、戦国時代(1467~1568)という日本じゅうに戦争がつづいた時代に、近畿地方の山のふもとの村に住んでいました。村の指導者である農民の子どもで、両親と姉さんとの4人家族です。少年の日記は、春の山菜狩りからはじまります。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

天の川

56
岩波書店歴史を旅する絵本、既刊最後の一冊。16世紀初頭の史料『政基公旅引付』に基づく。読み始めは子ども目線の生き生きとした村の生活が楽しいのだが、やがて惣村の自治の厳しい現実を語り手の子どもと共に知ることになる。農作業や祭り、凶作時に年貢引き下げを訴える逃散…村人の団結は欠かせない。納税、治安、やっと獲得した自治権を確保するためには村掟の遵守は不可欠で、飢えて盗みを働いた村人に科される制裁は情け容赦ない。皆の権利を守り、皆で生き延びるために…行政システムが未整備な時代の豊かさと苛烈さがよくわかる一冊。2024/03/05

KAZOO

19
このシリーズで出版されているものの最後になりました。副題が「和泉国いりやまだ村の一年」とあるように戦国時代の農村の家族の生活を追ったものです。昔は農民も戦争があると戦力の一員として数えられていた様子などがわかります。特にこの絵が素朴な中にも若干暗い感じがあり時代を反映させてくれていると感じました。2013/09/12

itokake

16
絵本ということで軽い気持ちで読んだが、大きな収穫が得られた。実はあまり好きではなかった伝統行事の数々。お正月とか節句とか、準備を負担に感じて楽しめず。でもこれらの行事が庶民にはつかの間の憩いだったし、生きる力にもなったはず。時は戦国、突然村に攻めて来る侍たちの横暴。飢えのあまり食べ物を盗んだ母は子供の前で殺され、残された姉弟は泣きながら村中をさまよう。そのような生活で、お祭りの賑わいやお囃子はどんなに楽しかったことか!リアルな記述だと思えば、原著あり(戦国時代の荘園領主が書いた日記『政基公旅引付』)。2022/02/21

魚京童!

16
これすごい。ってかやばい。いろいろ、言葉になってないことが多すぎると思う。言葉にできないことが行われていて、それが匂わされているにとどめてる。でももっとすごいんだと思う。子ども目線なのに、すごく淡々としている。褪めてしまっている。楽しいんだろうけど、なんか違うよね。すごいよね。これ。面白いというには不謹慎だけど、つまらないというには感動を呼び起こしすぎる。2020/03/23

かごめ

16
感情移入や時代批判なく淡々と綴られている。戦国時代に村が存続するためのシビアな現実とハレの日の出来事。絵本として対象年齢の子供はどう受け止めるのだろう。2014/10/31

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