出版社内容情報
平和と民主主義を根源的に問いつづけた戦後日本最大の知識人，丸山眞男の全作品を編年集成した著作全集．1995－96年の第1次刊行に際しては，戦後問い直しの機運のなかで広範な丸山論ブームが巻き起こった．しかし，戦争体制に急傾斜する今日の危機的な日本社会のなかでこそ，本集は熟読されなければならないだろう．
目次
一九五三年（明治時代の思想；野間君のことなど ほか）
一九五四年（政治学事典執筆項目）
一九五五年（一療養患者としての意見；松田道雄「療養の設計」）
一九五六年（断想；戦争責任論の盲点 ほか）
一九五七年（ナショナリズム・軍国主義・ファシズム；政治権力の諸問題）
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
7
「ナショナリズムにおける国民的伝統の主張は国語、習俗、芸術その他の民族文化の保存と伸長、要請として現われ、また自国の歴史における外敵擊攘の伝統の強調、進んで自国の威信や栄光を高めた過去の支配者や将軍ーいわゆる民族的英雄ーの顕彰として発現する。このような象徴がしばしば社会体制や階級を超えて求められることは、最近のソ連の例(イワン雷帝やピョートル大帝など)でも明らかである。ナショナリズムはこうした伝統の美化を媒介としてロマン主義に近づく。」スターリン時代のイヴァン雷帝崇拝について述べている部分であろう。2022/04/17
Ikkoku-Kan Is Forever..!!
2
この時期、丸山は具合が悪かった。これを読んだ時期、わたしも体調不良だった。親近感を持って読む。それにしても、丸山眞男と甥っ子姪っ子シリーズ。（登場人物ABC）この前、高校生だったのが大学生になったと思ったら姪っ子がマルキストになってたという設定はふいた。（「政治学」1956）丸山といえば『現代政治の思想と行動』というイメージが一般的に強い傾向だけれど、個人的にはコレ読むときいつも寝落ちしちゃう。（なかにはチラホラ面白いのもあるにはあるんだけど･･･）2013/09/19
