出版社内容情報
戦後の時代状況に切実にかかわり,それを創作活動に凝縮した作家=思想家,木下順二.その多面的業績を集約した自選集を10年ぶりに再刊する.各巻ごとに作品とその作品に関わる評論を配し,諸作品の主題や方法がいっそう鮮明になるよう工夫したことにより,著者の思考方法を理解することが容易になった.
目次
神と人とのあいだ(審判;夏・南方のローマンス)
『神と人とのあいだ』について(『審判』を書き終えて;『夏・南方のローマンス』の上演について)
日本人の戦後(忘却について;戦争責任の問題はもう終ったか;『極東軍事裁判速記録』について;未清算の過去;自らを刺す痛みを;三十年の歩み;自らの手で戦争責任を追及しなかったこと;楽天的日本人;東京裁判が考えさせてくれたこと)