内容説明
飢餓と殺戮、戦乱とクーデターの続くアフリカの悲劇、とりわけ数十万にのぼるルワンダ虐殺の影にフランスが…。植民地アフリカの「独立」以来のフランスとアフリカの歪んだ関係、フランス新植民地主義が現在も犯し続けている数々の犯罪は偶然の産物ではない。国家としての意思の所産である。この新植民地主義を立案し実行を命じてきたのは、ドゴール以来ポンピドー、ジスカール・デスタン、ミッテラン、シラクらの歴代大統領たちであり、この犯罪的政策は、アフリカというパイを分け合うためなら汚職、裏工作、陰謀、殺人、クーデター、戦争など手段をえらばないし、政界からマフィアまで、フランスの政治・経済システムと癒着し構造化されている。フランスの巨大なアフリカ利権と政治スキャンダルを暴き、欧米を騒然とさせた怒りの書、遂に邦訳。
目次
第1部 想像を絶する事態へと押し流されて(砂漠の警告;不名誉の領域 ほか)
第2部 フランサフリックの犯した犯罪の数々(バミレケ族の国での虐殺;独立心の旺盛すぎたオリンピオ ほか)
第3部 破滅に瀕するフォカルティスム(ひとつのシステムの解体;組織網の抵抗 ほか)
結論 脱フォカール化は可能か
付録
著者等紹介
ヴェルシャヴ,フランソワ=グザヴィエ[ヴェルシャヴ,フランソワグザヴィエ][Verschave,Francois‐Xavier]
大学で経済学を修めた後、フランス政府派遣の海外協力隊員としてアルジェリア勤務。帰国後、精神病院の元患者の社会復帰を支援する指物工房の設立に参加。1982年より、リヨンにほど近いローヌ県サン=フォンの役場に勤務し、経済・雇用・社会改革を担当している。かたわら、1984年より、フランスの政府開発援助資金が真に貧困解決のために使われるようもとめ、フランス=アフリカ関係の改善を訴える市民団体「シュルヴィ」の活動に従事。1995年より同団体の会長職をつとめる
大野英士[オオノヒデシ]
1956年東京生まれ。東京大学文学部仏文学科卒業。早稲田大学大学院文学研究科仏文学専攻満期退学。パリ第7大学テクスト・資料学科、言語・文学・文明系大学院修了。文学博士。専門は19世紀末フランス文学、現代思想。現在、早稲田大学文学部非常勤講師
高橋武智[タカハシタケトモ]
1935年東京生まれ。東京大学と同大学院でフランス文学を学ぶ。現在翻訳家、兼リュブリャナ大学文学部客員教授
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