内容説明
ヤマメからニジマス?精巣の細胞から卵?数々の失敗を乗り越えて常識を覆す発見をしつつようやく光が見えてきた。サバが産んだマグロたちがびゅんびゅんと大海原を泳ぎ回る日は近い!?
目次
1 サバにマグロを産ませる!?
2 どうやってサバにマグロを産ませるか
3 ヤマメがニジマスを産んだ!
4 精巣から卵?卵巣から精子?
5 希少魚を救うために
6 20XX年、ついに●●がマグロを産んだ!
7 おわりに
著者等紹介
吉崎悟朗[ヨシザキゴロウ]
1966年鎌倉市生まれ。1993年東京水産大学(現東京海洋大学)水産学研究科博士課程修了。博士(水産学)。米国テキサス工科大学農学部博士研究員、東京水産大学資源育成学科助手を経て、東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科教授。専門は魚類発生工学および魚類繁殖生理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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calaf
19
タイトル通り、サバにマグロを産んでもらおう!という研究の最前線。マグロの養殖には巨大な施設が必要であり、水温管理が出来ない等のために生産性は低い。そこで、小さな施設でも飼えるサバにマグロを産んでもらおう!という事らしい・・・タイトルを見ると奇抜すぎるという気がしていたのですが、どうやら実用化も視野に入ってきているらしい・・・凄すぎる・・・2015/02/05
ふぇるけん
16
まずもってギョッとするタイトル(魚だけに。。。失礼)だが、内容はいたって真剣そのもの。絶滅の危機に瀕しているクロマグロを育てるために、カラダの小さいサバを使うという発想もすごいし、さまざまな試行錯誤が繰り返されてようやくここまでこぎつけた、というところだろう。ところでマグロやサバの卵って見たことないけどどんな感じなんだろう?2015/02/02
angelooo7
13
つまりですね。一生マグロを産むサバを開発したと言うことです。最初は妄想から始まったとのこと。クレイジーな自分を信じるって大事なんですね。2015/02/11
那由田 忠
10
近畿大の完全養殖が有名だが、こちら海洋大の革命的研究。同じサバ科の小さなサバの、孵化直後の仔魚の腹腔にマグロの精巣を注入すると、精原細胞の歩いて精巣にたどり着き、マグロの精子をつくってくれる。メスに注入すると卵子をつくれる。成熟が一年と、マグロの5年より短いサバを使って、精子と卵子を受精させてマグロを一年ごとに産むことができる。5年で品種改良できる。イクラが大きすぎて冷凍保存できないが、精巣卵巣は可能なので絶滅危惧種保存にも役立つ、というものすごい可能性を秘めた大研究の苦労譚。 面白すぎる!!2014/11/29
DEE
7
文字通り遺伝子を操作してサバの精巣と卵巣の細胞を作り変え、マグロの卵を産ませてしまおうという計画。 そういうことをしないとヤバイくらいクロマグロの数が激減している。 この技術は他の魚でも応用可能なため早く完成することを切に願うばかり。 魚に関しては冷凍保存可能なことが確認されているので仮に絶滅しても将来的に復活される可能性がある。 人間も遺体を冷凍保存してる団体があるけど、それはまた別の話。2018/05/11