出版社内容情報
心理検査結果のクライエントへのフィードバック・所属機関内での報告の要点を,事例とコメントを通して身につける。心理検査は,クライエントとの臨床の始まりのこともあれば,関係の途中のエピソードのこともあり,そのクライエントとは検査だけのかかわりとなることもある。チームワークで進行する現代の多忙な臨床現場では,ともすると検査結果のクライエントへの伝達は形式的なものとなりやすい。日々行われる検査の時間をクライエントのこれからに寄与するものとするためには,臨床家は検査を通して個性的な受検者像を捉え,単なる結果の伝達を超えた共有をクライエント/臨床チーム双方と行えなければならない。
本書は多様な現場と経緯において心理検査を受検したクライエントに,「客観的かつ支持的な」検査結果の共有を試みた現場の臨床家の8つの事例を収載する。各事例にはベテラン臨床家が検討を加え,それぞれの事例にさらなる厚みをもたらしている。2009年刊行の第1集と同様,受検者へのフィードバックとスタッフへの報告のやり取りを逐語で収録,報告書式を示した。
竹内 健児[タケウチケンジ]
立命館大学教授
内容説明
本書は多様な現場と経緯においての心理検査を受検したクライエントに、「客観的かつ支持的な」検査結果の共有を試みた現場の臨床家の8つの事例を収載する。各事例はベテラン臨床家が検討を加え、実践的なアドバイスとともにそれぞれの事例にさらなる厚みをもたらしている。事例には受検者へのフィードバックとスタッフへの報告のやり取りを逐語で収録、報告書式を示した。
目次
第1章 心理検査の客観的で支持的なフィードバックを目指して
第2章 小学校就学を控えて小児科を受診した男児に知能検査を実施した事例
第3章 チック症状を主訴として来談した、発達障害の疑いがある9歳女児の事例
第4章 就労での躓きをきっかけに療育手帳の取得に至った20代前半の女性の事例
第5章 再就職を目標にしている20代の女性入院患者に対する心理検査の活用
第6章 職場での不適応を悩み、自分は「アスペルガー症候群」ではないかと疑った30代女性の事例
第7章 発達障害を疑って自ら心理検査を希望した30代女性の事例
第8章 自殺企図を起こして救急搬送された40代男性のアセスメント
第9章 認知症が疑われた高齢者糖尿病患者への認知機能検査を他職種連携へと活用した事例
著者等紹介
竹内健児[タケウチケンジ]
立命館大学大学院応用人間科学研究科教授、臨床心理士。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程学修認定退学。トゥレーヌ甲南学園カウンセラー(在仏)、徳島大学准教授、法政大学学生相談室主任カウンセラー、奈良大学臨床心理クリニック専属実習指導教員等を経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れい
Asakura Arata
凛
まなまな